子どもつい正解へと導いてしまう親に欠けた視点 「植え付ける・耕す」子育てとはいったい何か
親が子どもに与える2つの影響
「子どもの心は、〝植えるな、耕せ〞」
子育てに悩んでいる人は、今日からこれを意識して子どもに接してみてください。多くのケースで、子育てがうまく回り始めるはずです。
では、具体的にどういうことか、説明していきましょう。
子育てにおいて、親が子どもに与えられる影響には2種類あります。1つは、知識や制限、禁止事項、マナーなど、親の頭の中にあるものを、子どもに植え付けることです。これをここでは、「(親が子どもに)植え付ける」と言います。
もう1つは、子どもが発した何かしらの表現を、親が受け止め、共感や反応として、子どもにフィードバックすることです。これを「(子どもの心の畑を)耕す」といいます。
あなたの子どもの心の中に、1つの畑をイメージしてみてください。
その畑(子どもの心)の「土の豊かさ、軟らかさ」というのが、その子の今の、そして将来の、「生きやすさ」になります。他方で、その畑に植えられている植物は、その子が生きるためのツール(道具)にすぎません。
ところが、多くの親は子どもに対して、自分が望む植物(ツール)を植え付けようと躍起です。なぜなら、その親自身のセンスで選んだ植物が植えられているほうが、わが子が生きやすくなるだろうと、思っているからです。
でも実は、人の「生きやすさ」というのは、そういう仕組みではありません。人の生きやすさは、あくまでも、その人の「心の畑の軟らかさ」のことであり、その上に植え付けられた植物は、その人が社会で生きるための道具にすぎません。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら