子どもつい正解へと導いてしまう親に欠けた視点 「植え付ける・耕す」子育てとはいったい何か
日々、子どもに対するしつけとして親が細かいことをいちいち指図するのではなく、子どもの生活全般を、あなたが定める「守るべき最小限のルール」で囲ったうえで、「このルールの中でなら、好きに育ってよし!」というスタンスをとって、子どもを自由にさせながら、親子ともどもストレスなく過ごす子育てスタイルです。
このときの、あなたが定める「子どもに守らせる最小限のルール」のことを、放牧システムでは、「柵」と呼びます。
「柵」の役割
この「柵」とは、例えば、「保育園には行きます」「お昼寝はします」「おやつはこの量です」「夜は〇時までには寝ます」など、子どもの安全と、家庭の秩序と、母親自身の精神を守るために設定する、わが子に守らせるべき最小限のルールのことです。
こうした「柵」として定めたルールだけは、明確に子どもに守らせますが、それ以外は基本的に、子どもに対してそれ以上の技術を身に付けさせようとしたり、何かの能力を伸ばそうとしたりはしません。
あなたが定めた柵(ルール)の中にいる限り、子どもがどう成長するかは、基本的に子ども自身に任せながら、親であるあなたは、ただただ温かく見守ったり、肯定的なリアクションをしたり、時間があれば一緒にふざけたり遊んだりしながら楽しく過ごします。
そうすることで、子どものメンタルは驚くほど安定していき、親子関係がよくなるとともに、子どもの心は耕され、自己肯定感の高い、生きやすい体質へと成長していきます。その結果、その子は、自分に必要な能力を自分の意思と自分の力によって向上させられる人になっていきます。
このことは、今までずっと「“私”この子に生き方を教え込まなきゃ!」と焦りながら、必死で「植え付け子育て」をしていた人にとっては、直観的に理解しにくいことかもしれません。でも実は、これにはカラクリがあるのです。
そもそも人間は、持って生まれた「適性」がそれぞれ違います。だから、どういう能力が伸びるのか、また、どういう伸ばし方をしたら伸びるのかも、その人によって違います。それは当然、あなたの子どもも同じで、その子自身の適性に合った能力を、適性に合ったやり方で伸ばしてあげないと、能力も才能もうまく伸びません。
だから子どもの能力や才能を伸ばすためには、親であるあなたが焦って、子どもにあれこれ強引に「植え付け」ようとするよりも、まずはできるだけその子に自由を与えながら、本人の「適性」をあぶり出してあげるほうが、あなた自身の子育てがラクになるだけでなく、子どもの成長にとってもはるかに効率がいいのです。
また、子どもが自由に育つ様子を見守ることで、その子独自の「特徴」や「適性」が見えてきて、その能力や才能を伸ばしてあげやすくなります。
しかも、あなたの放牧する姿勢によって、子どもの心はどんどん耕され、学習に対する「吸収力」も上がるので、結果的に、その子自身の力によって、必要な知識も吸収できるようになっていきます。
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