カリモク「猫ファースト」の木製家具ブランド スタイリッシュな「4万円のキャットツリー」
苦労したのが安定性。猫が足場から足場へ飛び移る際、反動でどうしても揺れてしまう。床との設置面のアジャスターをつけ、水平を保つことで揺れを軽減するようにした。
デザインは、RINNの100万円のキャットツリーも手掛けた小宮山洋氏によるもの。30〜40代女性をターゲットとしてイメージした猫用家具は、木工家具としての高級感を保ちつつ、和洋問わず部屋になじむスタイリッシュなデザインとなっている。場所をとらない工夫として、台座は三角形の形状としている。家具と家具の間や部屋の隅などにも無理なく収まりそうだ。
カラーは販売当初はピュアオーク、シアーホワイト、モカブラウンの3色展開。
オンライン限定で価格は4万3780円
そして販売は当初の目論み通り、オンライン限定とした。キャットツリーで4万3780円と人間向けでもおかしくない価格だが、卸を挟まないオンラインのため、その分価格設定は低くされているのだという。その他ブランディング戦略上の狙いもあったそうだ。ペット用品のカテゴリーでなく、高級家具としてのイメージを大切にするためだ。
カリモクキャットのサイトそのものも美しく仕上げられており、家具の品質を伝えるビジュアルとなっている。
ただし代官山 蔦屋書店など一部の企業に限っては店舗などでイベント的に現物販売も行う。
「お客様が現物を確認できるリアルなタッチポイントも欲しいという理由と、家具以外で、感度の高い客層にアピールしたいという理由の2つからです」(伊串氏)
通販の場合、気になるのが組み立てだが、伊串氏によると、女性でも15分程度で組み立てられるように作られているそうだ。
実際の反響はどうだったのだろうか。
「発売した2019年3月は、知名度もなく想定通りとは言えない販売実績でした。しかし2020年3月から上昇してきました。2019年と現在、2021年の売れ行きを比較すると、2倍以上になっています」(伊串氏)
背景にはやはり、コロナによる外出自粛で、インテリアに消費者の関心が向いたことがある。さらに、ペットを飼う人が増えたことも売り上げアップを後押しした。女性が購買者の6割を占めたことも狙い通りだった。
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