カリモク「猫ファースト」の木製家具ブランド スタイリッシュな「4万円のキャットツリー」

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家具メーカー大手のカリモクが、2019年3月より猫専用家具のブランド「KARIMOKU CAT」をスタート。コロナによるホームアイテム需要やペットを飼う人の増加が後押しし、売り上げはブランドスタート時の2倍にアップしている(写真:カリモク皆栄)
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ネコノミクスとかつて言われたが、その後も猫ブームは衰えることなくますます盛り上がっているようだ。猫の視点を取り入れることで、ビジネスをさらに活性化させている企業もある。

家具メーカーの大手、カリモクも、猫に着目したビジネスの展開をスタート。“猫ファースト”の猫用木製家具ブランド、「KARIMOKU CAT」である。

ペット用家具は本当にいいものが少ない

同ブランドを担当するカリモク皆栄の伊串直恭氏は、立ち上げの背景について次のように話す。

キャットツリー。一番上のステップは布張り。撥水性があり汚れても手入れがしやすい素材を採用。柱に麻縄を巻き付け爪研ぎにしているタイプはよくあるが、本品では綿縄を巻いてある。麻縄と異なり匂いが気にならず、猫が爪を研いでも繊維が散らからない(筆者撮影)

「プロジェクトをスタートさせたのは2018年です。当時、全国で飼育されている犬が約890万頭、猫が約960万頭、さらにペットは家族という考え方も社会に浸透し、今後ペットによりお金を使うようになるなど、市場成長が見込まれました。その一方で、ペット用家具はまだ本当にいいものが少ない。当社のモノづくりのノウハウを活かし、デザイン性の高いものを売り出せば需要があると考えたのが、ブランドを企画した理由です」

ちなみに、カリモク皆栄とはカリモク家具の企画開発やマネジメントを事業とする企業。伊串氏は同社の事業開発部部長としてブランドの立ち上げから関わってきた。

また新規事業を始めるうえでは、市場可能性があるからというだけでなく、他の目論みもあったようだ。それが、カリモク家具における通販事業の開拓だ。

「当時、家具を通販で購入するという選択も当たり前になっていました。当社も卸事業だけでは今後行き詰まることが予測される。そこで、まずは雑貨に近いペット用家具で直販事業にもチャレンジしてみようという意図も、新規事業には込めていました」

伊串氏の説明にあるように、当時、二大ペットである犬、猫合わせて約2000万頭の市場可能性が見込まれた。飼育数は2016年に猫が犬を抜き、現在まで両者の差が広がってきている(ペットフード協会データより)。

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