「認めていただいた、ありがたい!」
――記念すべき世界初の自動化レベル3技術搭載車が日本で販売された2021年に、日本では衝突被害軽減ブレーキの義務化がスタートしました。スバルの衝突被害軽減ブレーキ機能を含んだ先進安全技術「アイサイト」、さらにはその前身の「ADA」(Active Driving Assist)から開発に従事されてきた柴田さんにとって、この衝突被害軽減ブレーキの義務化に対しどんな想いを抱かれましたか?
柴田英司氏(以下、柴田):「認めていただいた、ありがたい!」そう感じました。ただ、認められたのはスバルだけではなく、衝突被害軽減ブレーキの実用化に向けて尽力されたすべての方々です。衝突被害軽減ブレーキがこの先の自動車(2021年11月以降の新型車が対象。継続販売車は2025年12月以降)に装着されることから、交通事故のさらなる減少が期待できます。
――事故が減れば社会的な損失度も下がりますね。そもそもスバルは衝突被害軽減ブレーキをはじめとした先進安全技術の開発には長い経験があり、1999年に発売された「レガシィ・ランカスターADA」(現レガシィ・アウトバック)が初のステレオカメラ搭載車と伺っています。今回、義務化された乗用車の衝突被害軽減ブレーキは、このADAが原点ですから自動車史としても記念すべき事柄です。
柴田:ありがとうございます。まさしくADAが最も初期のモデルであり、1980年代後半から実用化に向けて着手していました。当時からスバルはステレオカメラ(2つの光学式カメラ)にこだわり開発を進めてきましたが、「ステレオカメラの機能限界は低いのではないか」との市場評価もありました。
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