筆者は今年の夏、体調を大きく崩した。幸い新型コロナウイルス感染症ではなかったが、8月は丸々病室の天井を見上げる日々。体重はおろか筋肉量も激減し、体力の衰えを明確に自覚した。
回復後、専門医指導のもとでリハビリし筋力トレーニングで身体を整えた。そして迎えた久しぶりの運転……。まるで運転免許証取り立ての頃のように落ち着かない。運転に不安を感じ始めるという高齢ドライバーの気持ちが少しだけわかった気がした。
体調を崩す前までは、「知ってるよ、お節介だな~」と思っていた愛車であるマツダ「ロードスター」の「BSM」が発する黄色のインジケーターに、システムから守られているような安心感を初めて抱いた。
BSMとはブラインドスポットモニタリングのこと。死角にいる車両や後方から迫る車両の存在を音と光で教えてくれる先進安全技術だ。購入当初、BSMは「セーフティパッケージ」としてメーカーオプションに含まれていたが、背の低いスポーツカーでの安全確認は上半身を大きく捻転させる必要があるため、身体能力の衰えた将来の自分を想定して選択していた。
ともあれ6年以上連れ添ったロードスター。先進安全技術の存在が、まるで自分の分身のように感じられてちょっと心強かった。
運転中のドライバーに異変が発生した際に自動停車
マツダはこのたび、高度運転支援技術「MAZDA CO-PILOT CONCEPT1.0」と「MAZDA CO-PILOT CONCEPT2.0」を発表した。1.0は2022年に発売される新型車から導入され、2.0は2025年以降の実用化を目指す。
「Co-Pilot/副操縦士」の名が付くように、Pilotであるドライバーをサポートする仮想ドライバーとしての役割をMAZDA CO-PILOT CONCEPTが担う。目指したのは冒頭の筆者が感じた、自分の分身のような存在になることだ。
MAZDA CO-PILOT CONCEPT1.0と2.0は、いずれも運転中のドライバーに異変が発生した場合に自動停車させる技術で、さらに2.0では一般道路での左折や車線変更も自動で行う。
自動停車を行う制御モードの発動には次の2つの方法がある。
①/システムがドライバーモニタリングカメラや運転操作などの情報から異変を察知して、自動で停止までの制御モードを発動させる方法。
②/運転中のドライバーが体調異変を感じ、自ら作動スイッチを押して停止までの制御モードを発動させる方法。
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