マツダが実現した「緊急時に命守る」スゴ技の正体 ドライバーに異変生じた際に自動で止まる仕掛け

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スイッチ押下から3.2秒後(ここが制御の開始点)には警報ブザーが鳴りやみ、今度は車内スピーカーから「ドライバー異常のため安全な所まで自動で走行し停車します」と音声が流れる。同時に車速は約30km/h(ガイドラインでの一般道路における上限は10km/hだが十分な配慮がなされている場合は上回ることができる)までじんわりと減速する。

安全な場所へ移動していることを示すモニター画面(筆者撮影)

このとき、ハザードランプも自動的に点滅を開始。本来はハザードランプの点滅と同時に、ホーン(車外向けの警笛)が断続的(秒間2回程度)に鳴るが、実験車両では周辺に考慮してセンターコンソール部分に設置したスピーカーから小さな音量で流していた。次に「左に車線変更します」と発話して車内に報知し、①の運転操作を自律的に開始する。

ほどなくして路肩側である第1通行帯への車線変更が完了。それに前後してシステムは同時並行タスクとして②「路肩退避」を実行すべく、安全に停車できる場所の検索が進められる。

救援機関へ自動通報、同乗者の安全確保も万全

車線変更後、安全かつできる限り近い路肩に駐車するため、さらに10km/h程度にまで車速を落とすが、停車位置にふさわしい場所にたまたま駐車車両がいたので、駐車車両の側方通過のため、いったん右にステアリングを切って③「駐車車両回避」を実行。側方を通過後、改めて②「路肩退避」へと移る。

路肩から約1mの距離を保って停止する(筆者撮影)

停止後はドアロックの解除とともに、「停車しました。ヘルプネットに接続します。車外に出るときは周囲の安全を十分確認してください」と発話され、救援機関への自動通報とともに、同乗者への安全確保も念押しする。

停車場所は、意図的に路肩から約1mの距離が保たれた。これにより車内外からドアが開けやすくなるばかりか、救護者によるスムーズな救護活動が期待できる。ヘルプネットとは2000年9月から運用が始まった緊急通報サービスのことだ。

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