パナソニック、「Technics」復活の舞台裏 中村-大坪時代の"誤り"を修正
ドイツ・ベルリンで開催されたIFAのプレスデー。ジャズ・トランペッターの日野皓正氏を招いたコンサートも催されたパナソニックの”Technics”ブランド再起動記者レセプションを終えた帰路、ベルリンメッセ南口駅のホームでは各ビジネス誌や業界紙の記者に「どのぐらい良い音なんでしょう?」と尋ねられた。
パナソニックがTechnicsブランド復活をかけて投入した製品には、ふたつのシリーズがある。ひとつはシステムのトータル価格が約500万円となるリファレンスシリーズ、もうひとつはトータル価格50万円ちょっとでまとめられたプレミアムシリーズだ。
ローエンドモデルの名称がプレミアムなの?と訝しむかもしれないが、パナソニックの一般的なオーディオ製品に対して、音質を追求したプレミアム製品という位置付けである。一方のリファレンスシリーズは、”Technnicsの音”とは何かを示す基準となるモデルという位置付けだ。
オーディオ技術を再結集
パナソニックはTechnics復活に際して、ブランドが閉鎖された後にも脈々と受け継がれていたオーディオ技術を再集結させた。高級AV機器開発による部品選定ノウハウや電源設計ノウハウ、カーオーディオ向けに磨いた高剛性・高音質の同軸スピーカーユニット、デジタル信号処理技術や高速のガリウムナイトライド素子などだ。
とはいえ、それら”高音質を実現するための道具”はあくまでも道具であり、本質ではない。出てくる音はどうなのか?がもっとも重要だからだ。よってIFAにおける展示も、Technicsというブランドがどのような音を出すのかを伝えることに留意していた。
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