街づくり「できるだけ小さく」始めるのがいい理由 まずは空き地に「ベンチ1つ」置くだけでいい
まちづくりはプチ起業、という発想をすれば、スタートを切りやすくなります。原則は「スモールスタート&スローディベロップメント」。まちづくりの最小単位をアクティビティーとし、その最もミニマムな単位からはじめていくのがファーストステップとなります。
具体的にアクティビティーの最小単位を考えてみると、「空いているスペースにベンチを置く」というのも1つの方法です。たとえば、海が見える空きスペースにベンチを置き、そこに座って自然や景観を満喫するというアクティビティーをしてもらう。それだけでもいいのです。
自然や景観が満喫できるベンチがあるだけで、そこに人が集まる可能性があります。こうした最小単位のアクティビティーから人の行き来が生まれ、そこからまちづくりがスタートしていくことになるのです。
たとえば「景色がきれいな海辺に置かれたベンチ」というだけでも、人の心は動きます。「そこに行こう!」と思ってもらえれば行動が生まれ、行った先で得られた体験から、食事や宿泊といった次のアクティビティーへの広がりが検討できます。
「ベンチを置く」の次の展開
具体的には、ベンチに座っている人が次のようなことを考えるかもしれません。
■ 思い出として写真に残したいな
■ ベンチでコーヒーでも飲みながら、読書するのもいいな
■ ハンモックも用意して、眠くなったらそこで寝るのもいいな
■ 音楽を流しながら、まったりしたいな
■ たくさんの友人を呼んでバーベキューがしたいな
■ 今日は夕焼けを見たけれど、もっとゆっくりできる日はここで夜空でも眺めたいな
このような希望が膨らんでいくと、それを実現するためのアクティビティーに需要があることがわかります。「ベンチを置く」という最小単位のアクティビティーからはじまったこのまちづくりに、次の展開が期待されるというわけです。
屋台やキッチンカーをはじめとする飲食店を設置するのはもちろん、ベンチだけでなくバーベキューやキャンプができる設備、ハンモックやテント、さらには写真サービスや宿泊施設まで、アクティビティーを実現するものとしては、さまざまな広がりが生まれます。
それらのアクティビティーを単独ではなく、有機的につなげていくことによって、地域としての価値がより高くなっていきます。もちろんそこには、人の希望が反映されており、経済活動に結びつくようなポテンシャルがあるわけです。
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