乗ればわかる横浜ロープウェー「1000円」の真価 “移動もできる"展望アトラクションの活用法
いまから約150年前の1872年、横浜―新橋間に日本初の鉄道が開業した。JR桜木町駅に隣接する建物には、当時の横浜駅があった場所にちなみ、110形蒸気機関車をはじめとする「日本の鉄道発祥の地」に関する展示がある。
鉄道以外にもガス事業、近代水道などのインフラ、ビール醸造所に日刊新聞……、横浜には「日本初」が数知れずあるが、そこにまた仲間が加わる。4月22日開業の「ヨコハマ・エア・キャビン」は、桜木町駅と赤レンガ倉庫などの観光スポットがある新港地区を結ぶ、“日本初の常設都市型ロープウェー”だ。
大観覧車と同じ会社が運営
運営会社の泉陽興業(大阪市)が4月17日、関係者向けの内覧会を実施した。ヨコハマ・エア・キャビンは桜木町駅と新港地区にある運河パークの間の約630mを片道約5分で結ぶ。最大約40mの高さを秒速2.5mで運行し、「まるでドローンになった気分」(同社)で空中散歩が楽しめる。営業時間は10時から22時。夜間には照明デザイナー、石井幹子さんの監修によるゴンドラと駅舎のライトアップが新たな見どころになりそうだ。
泉陽興業はみなとみらい21地区のシンボルとも言える大観覧車がある「よこはまコスモワールド」を運営している。ロープウェーは民設民営で税金の投入はなく、建設費約80億円は同社の負担。横浜市には水域や道路の占用料を定期的に支払うことになっている。
桜木町駅と運河パークに乗り場がある。ゴンドラは8人乗りが全部で36台。スイスの搬器メーカーCWA社製で、各ゴンドラにエアコンやライトアップ、無線の電源のためのリチウムイオンバッテリーを積んでいる。運河パーク駅にロープを動かすモーターと格納庫を設置。非常用に予備の電源の系統があり、もし停電になった場合には、桜木町駅と運河パーク駅にあるディーゼルエンジンでゴンドラを移動させられるようになっている。
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