横浜ロープウェー、高さ40m「異常時」どう救助? 海保救難艇からはしご車まで出動して合同訓練
横浜のみなとみらい21地区には、帆船日本丸や横浜ランドマークタワー、デジタル時計付きの巨大観覧車「コスモクロック21」といった観光スポットが多い。4月22日開業の常設都市型ロープウェー「YOKOHAMA AIR CABIN(ヨコハマ・エア・キャビン)」は、みなとみらいの景観を眺めながら“空中散歩”を楽しめるのが最大のセールスポイントだ。
JR・横浜市営地下鉄の桜木町駅と「赤レンガ倉庫」がある新港地区の間の約630mは大部分が海上を通る。36台あるゴンドラは8人乗りで、合計の定員は288人。最大で40mの高さからの眺望には期待が持てそうだが、一方で不安に感じる点がないわけでない。もし、空中で動かなくなり、ゴンドラに閉じ込められたとしたら……。そのような場合、どうやって乗客を救助するのか。
開業前に官民で合同訓練
4月12日、運行開始を10日後に控え、ロープウェーを運営する泉陽興業と、海上保安庁、横浜市消防局など関係機関が官民一体の合同訓練を実施した。訓練は午前の「海上の部」と、午後の「陸上の部」に分け、それぞれ異なる救助方法がとられた。
海上の部は10時にスタート。泉陽興業の関係者のほか、海上保安庁10人、警察15人、消防関係15人を含む約70人が参加した。水中にある3本の支柱のうち、最も高さがある「第3号支柱」付近でゴンドラが動かなくなった想定だ。
初めに泉陽興業のゴムボートが到着。同社はゴムボートを4隻用意していて、非常時は2チームで運用するという。救助要員はロープウェーを担当する同社事業所の技術課社員で、普段は整備を担当する。支柱のはしごを上り、最上部から特殊な装置でロープを伝ってゴンドラの屋根へ到達。「お客さま、これより救助に入ります。ドアからなるべく離れ、シートに座って安全な姿勢でお待ちください」と大声でゴンドラ内に呼びかけた。
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