老舗が続々と閉店「住みたい街・吉祥寺」の変貌 ハーモニカ横丁など人気スポットも点在する
「住みたい街」の代名詞となっている東京・吉祥寺(武蔵野市)。2020年の「住みたい街ランキング(関東版)」(SUUMO)では横浜、恵比寿に続いて3位となっている。そんな人気の街もコロナ禍の直撃を受け、多くの店舗が閉店に追い込まれた。数十年にわたって営業を続けてきた老舗も例外ではない。
多くの人々に愛された店が、長い歴史の幕を閉じている。主だった店を挙げると、「コーキーズハウス」(22年間営業のアメリカンダイナー=4月閉店)、「芙葉亭」(33年間営業のフレンチ=5月閉店)、 「OLD CROW」(31年間営業のイタリアン=5月閉店)、「葡萄屋」(37年間営業の黒毛和牛のステーキ・しゃぶしゃぶなど=7月閉店)、「スパ吉」(17年間営業のパスタ専門店=8月閉店)、「金の猿」(23年間営業の和食ダイニング=12月閉店予定)。
思わずため息が出てしまう。「コロナ禍さえなかったら……」というのが関係者の共通した思いだろう。ある店にはこんな挨拶が掲示されていた。「ご愛顧ありがとうございました。 新型コロナウイルス感染拡大に伴い、このようなご挨拶となってしまい、誠に残念ではありますが……」。
食べログの掲載店舗数も減少
吉祥寺にはさまざまな飲食店が軒を連ねている。大手グルメサイト「食べログ」で「吉祥寺 すべてのお店」で検索すると、総数は「1416件」となっていた(11月25日時点)。
口コミ投稿者がカウントした過去の吉祥寺の掲載店舗数を見ると、2020年1月1日時点では1680件となっている。それが9月1日時点では1367件へと、なんと313件も減っているのだ。
この激減ぶりはメディアでも報じられ、話題になったものだ。(ちなみに武蔵野市に確認したところ、市内の飲食店の総数は平成28年の経済センサスをベースに約1200軒と認識しているという)。
一方で11月に入り、食べログ掲載店舗数は1400件台まで回復しつつある。最近の新規オープン店舗をカウントすると、10月以降だけでも約20件の店がオープンしている。コロナ禍が最悪の状況を迎える中で、再び閉店する店が増えてしまう恐れはあるが、この街のリカバリー力というか、新陳代謝パワーはすごいものがある。
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