老舗が続々と閉店「住みたい街・吉祥寺」の変貌 ハーモニカ横丁など人気スポットも点在する

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1971年にオープンした「伊勢丹吉祥寺店」は2010年に38年間の歴史に幕を下ろした。1974年に開店したのは、関西系の「東京近鉄百貨店(1983年に近鉄百貨店東京店に改称)」だ。2001年に閉店し、同年、「吉祥寺三越・IDC大塚家具ショールーム」が開店したが、2006年に閉店。その後は「ヨドバシ吉祥寺」となっている。

新宿に近いため、百貨店の商圏としてはかぶってしまうのだろうか。大型店舗の長寿組は1960年に開店した「丸井吉祥寺店」。リニューアルを繰り返しながら、60年間にわたって営業を続けている。

百貨店が消えていく一方で進出してきたのが、さまざまな大型商業施設。2013年には「無印良品」の跡地に「ドン・キホーテ吉祥寺駅前店」が開業し、2014年には「ユニクロ吉祥寺店」(売り場面積800坪)がオープン。そして駅ビルも大きく姿を変えた。

JR吉祥寺駅にあった商業施設「吉祥寺ロンロン」は2010年に「アトレ吉祥寺」に生まれ変わった。京王吉祥寺駅ビルには、かつて「ユザワヤ吉祥寺店」が出店していたが、2014年にビルを新築し「キラリナ京王吉祥寺」が誕生した。

そして「吉祥寺パルコ」の地下にあったブックセンターがなくなり、2018年に5つのスクリーンを備えたミニシアターコンプレックス「アップリンク吉祥寺」がオープンした。大型商業施設だけみても、実にさまざまな形での変貌を遂げてきたのである。

来街者調査の興味深い結果

新旧の店、エリアが混在する街、吉祥寺には、いったいどんな人々が、何を目的に集まってきているのだろうか。一般財団法人 武蔵野市開発公社がまとめた「吉祥寺駅周辺来街者行動実態調査報告書」(調査日:2019年9月18日=平日、10月14日=祝日)を見てみよう。

回答数は平日258件、休日241件で合計499件。ともに女性が7割以上となっている。年代(平日)は10~30代が全体の24.8%、40~50代が31.0%、60代以上が44.2%で、調査回答者に限った年代とはいえ、高齢者が多いのは意外な感じがするが、実際、街中を歩いても若い人だけが多いという雰囲気でもなかったから、そんなものなのだろうか。

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