街づくり「できるだけ小さく」始めるのがいい理由 まずは空き地に「ベンチ1つ」置くだけでいい
まちづくりにおけるソリューションとは、その地域ならではの強みを生かした価値提供を、ターゲットに応じたニーズ・欲求に合わせて行うことです。すでにその地域に存在している強みや価値との兼ね合いも含めて、その場所ならではの人を集められる要素をピックアップしておきましょう。
ターゲットの設定方法
ターゲットの設定には「5W1H」を使います。5W1Hとは、ビジネスシーンでもよく使われるものですが、「いつ(When)」「どこで(Where)」「誰が(Who)」「何を(What)」「なぜ(Why)」「どのように(How)」というように、必要な要素をそれぞれ検討していく方法です。
たとえば、「海が見える広場にベンチを置く」というシーンで考えてみましょう。ベンチの活用方法はさまざまですが、あえてターゲットやアクティビティーを“限定”していくと、次のように考えることができます。
■ どこで:海が一望できる広場の中心
■ 誰が:若いカップル(インスタ映えを狙うため)
■ 何を:夕日に映える海を眺める
■ なぜ:ロマンチックな非日常体験を提供するために
■ どのように:おしゃれなベンチを設置する
このように5W1Hで考えていけば、おのずとターゲットが具体化されていきます。不特定多数をターゲットにするのではなく、あえて絞り込んでいくことによりかなり具体性を帯びるので、次の打つ手(ソリューション)も具体的に見やすくなります(軽食やお酒の提供、音楽の演奏など)。
5W1Hを活用すると、もともとその場所に合ったニーズや欲求、つまり課題がより明確化されます。課題は価値を提供するために設定されるものとなるのです。