価値「創造」だけでは本業不振は脱せない理由 30分類の価値獲得で考える利益イノベーション

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では、「価値獲得」には、どんなものがあるのでしょうか。代表的な30に分類した表をご覧ください。

出所:『収益多様化の戦略』74~75ページをもとに作成

ものづくり企業やもの売り企業の多くは、すべてのプロダクトの原価に一定の利益を付ける【1 プロダクト販売】という価値獲得に該当します。

しかし、この表を見れば、価値獲得には少なくともそのほかに29ものバリエーションがあることがわかります。プロダクト販売以外にも、自社が収益源にできるものはないか?という視点に立つことが大切です。

たとえば、よく知られているものに、期間ごとに定額の利用料を回収し、時間をかけて利益を積む【12 定額制サブスクリプション】、利用量に応じて利用料を回収し、時間をかけて利益を積む【14 従量制サブスクリプション】があります。

ほかにも、会費回収と本業の利益を合わせて利益を生む【19 メンバーシップ(会費)】、本体は無料で付属品の利益率を高くし、時間をかけて回収する【20 フリーミアム】、提供者と利用者を結びつける対価を利益の重要な柱にする【26 マッチメイキング】などが挙げられます。

うまくいっている企業の価値獲得は、さまざまなやり方で最終的に事業利益を生み出すことを意図しています。売り切りの【1 プロダクト販売】で利益が出なかったとしても、まったく気にしない。それどころか、プロダクト販売では最初は利益が出ないものだと開き直り、多様な収益源を認識し、別の箇所で利益を出る方法を積極的に探るなどしているのです。

既存のビジネスモデルをどう変革するか

これまで、企業経営の脈絡において「イノベーション」という言葉は、例外なく「価値創造イノベーション」を意味してきました。新製品や技術開発、あるいは工程革新など、価値創造のイノベーションによってもたらされることを前提としていたからです。

しかし、いくら価値創造を革新しても、期待水準以上の事業利益が生まれないのであれば、価値獲得に変革を起こす必要があります。実は、価値創造にイノベーションがあるのと同じく、価値獲得にもイノベーションと呼べるものがあるのです。

これを便宜上「利益イノベーション」とします。利益イノベーションは、業界慣行ともいえる既存の価値獲得から脱して、新たな利益の生み方に挑戦し、その結果超過的な利益を生み出すことを意味しています。

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