ジェフ・ベゾスも使った「ループ図」の破壊力 物事の本質を描き未来を創造するテクニック
「考える」ことは意外に難しい。本質的な解にたどり着き、よりすばらしいアイデアや、効果的な問題解決策を導き出すために「よく考えよう」「深く考えよう」とは言われるが、具体的にどうすればよいのか。「地頭」力を鍛えることも重要だが、より即効性を求めるには、「図頭(ずあたま)」を使うアプローチがあるという。つまり「図を描いて考える」ことでモノゴトを抽象化して捉えなおすということだ。外資系の事業会社やコンサルティングファームを経て、ビジネススクールで教鞭をとる平井孝志氏が上梓した『武器としての図で考える習慣:「抽象化思考」のレッスン』には、人生設計から経営戦略まで、いかに「図」を使って問題を見つめるかという事例が多数掲載されている。その1つを紹介しよう。
自己強化の構造が見える「ループ」
この世界では、人々の作り出す無数のものごとが関係性を結んで、新たな因果を生み出し続けている。
シュンペーターの「新結合」は、まさに関係性について述べたものといえるし、人の喜びも悲しみも、そのほとんどが他人との関係性から生じるものだろう。
ものごとを本質的に理解し、その構造をより全体的・俯瞰的・動的な発想で眺めるためには、「つながり」を視覚化して考える手法が武器になる。ここで役立つのが「ループ」の図だ。
「価格」と「数量」の関係性を、「ループ」の図で表現してみよう。
価格を上げると数量が下がり、逆に数量を増やそうとすれば価格は下がる。そして、価格を下げると今度は数量が上がる――価格と数量という2つの要素の間には、このような循環の因果が続くことがよくわかる。
トピックボードAD
有料会員限定記事
キャリア・教育の人気記事
無料会員登録はこちら
ログインはこちら