時間ないと嘆く人がわかってない「80:20の法則」 すべての作業が平等に重要なわけではない

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私たちの毎日も同じです。毎日忙しく、重要な仕事を片付けているつもりでも、数カ月が過ぎてみると、呆然としている間に過ぎてしまったと感じることは多いでしょう。

街なかのクリスマスツリーを見て「もう年末なのか」と焦ったりするのは、日々の時間の過ぎ方と季節の移ろいの過ぎ方の認知にはズレがあり、私たちがそこに期待していた「これだけのことができるはず」といった期待が整合しないからです。

すべての時間が平等ではない、つまり時間あたりの効率には不均衡が存在するのを認識するには、俗に「80:20の法則」と呼ばれるパレートの法則を知るのが鍵となります。

イタリアの経済学者ヴィルフレド・パレートは富の再分配の不均衡や農作物の収量の偏在などといったものを研究するうちに、さまざまな現象に独特な偏りがあることに気づきました。例えば80%の利益は20%の顧客が生み出している、仕事の成果の80%は全体の20%の作業部分から生み出しているといった偏りが、さまざまな状況において成り立っています。

80:20は一種の目安で、場合によっては90:10になるケースもありますが、その本質は同じです。相対的に数の少ない重要なものが成果やトラブルの大半を占めているのです。

法則を知らないと、本質的でない部分で時間を浪費

この法則を知らずに、すべての作業を同程度に重要なものとして扱っていると、本質的でない部分で時間を浪費することにつながります。

時間あたりに達成される成果が平等ではないのなら、私たちの行動もそれに合わせて傾斜させなければいけません。しかし何を?どの程度に?と考え続けるところに、パレートの法則を知る意義があります。

原則:時間の進み方も、その内容も一様ではない。私たちはやるべきこと、向かうべき方向に向けて時間の使い方を傾斜させるようにしなければいけない。

例えば、10ページの企画書を10日間で作っていたとしましょう。こうした書類で最も大事なのは、企画の新規性や独自性をアピールしている1~2ページほどであったりします。

すると、この2ページさえ満足がいくようにできているならば、残りの8ページは相対的に時間をかけずともよいのですから、時間の使い方もこれを反映して傾斜させるのがパレートの法則を取り入れるためのヒントです。

例えば、この2ページのために5日間かけてクオリティーを上げておくなら、残りの8ページは趣旨説明や資料などといった枝葉ですので、2~3日で済ませれば、全体として短い時間でクオリティーの高い成果を生み出せます。

1日の時間もパレートの法則を利用するように使うことができます。成果の80%を生み出す20%部分だとわかっている重要なタスクについては朝一番の、最も集中力が高まっている時間を割り当てます。すべての作業が平等に重要ではないという知見と、すべての時間で同じように集中力が高いわけではないという経験則を組み合わせているのです。

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