こんにちは。生きやすい人間関係を創る「メンタルアップマネージャ®」の大野萌子です。
働きながら未就学児を持つ親への理解は、企業内でもかなり進んできました。それに比べ「小1の壁」への理解は、まだまだです。「もう小学生だから大丈夫だね」と根拠のないイメージを持たれてしまうことも少なくありません。一概には言えませんが、この時期、親は中間管理職になる世代に差し掛かり弱音を吐きにくく、人知れず大きな不安を抱え相談にみえることも多いのです。
子どもの不安との付き合い方
小さな子どもを育てながら頑張って就業を続けてきたのに、子どもが小学生になって、離職や転職を余儀なくされるケースも増えています。購入したランドセルが手元に届いたり、小学校の入学の準備が少しずつ整い始めるこの時期からは、入学への期待と不安が入り交じり、時には、不安のほうが大きくなってしまうこともあります。子どもが不安を訴えると、親はそれ以上に不安になってしまうケースも。「何とかしなきゃ!」と焦ってしまうと問題を大きくしてしまいがちなので、この時期の子どもの不安との付き合い方についてお伝えしたいと思います。
人は、知らないことに対して不安を持つものです。行ったことのない場所、体験したことのないものは、想像でしか捉えられません。大人だって、初めての場所で初めての人と会うときには緊張します。その状況で、少しでも自分にとって良くない情報が入ってくれば、不安になるのは当たり前。そして、現実に確かめるすべもないので、知らないことへの不安は雪だるま式に大きくなります。基本、知らないことに対して不安感を持つのは自然なこと、と捉えましょう。決して慌てる必要はありません。子どもが不安がっていると、その状態を親が不安に思い、親の心情に敏感な子どもが、より一層不安になるといった不安スパイラルに陥らないようにしたいですね。もちろんリサーチを含め、準備をする必要はありますが、案ずるより産むがやすしです。
また、普段の声掛けが知らないうちに不安を育てているかもしれません。
「○○してたら小学生になれないよ」
「(小学生にもうすぐなるのに)そんなことでどうするの」
といった日々の声掛けが不安のもとになっていることも多くあります。
たとえ優しく諭したとしても、こういった言動は、子どもを追いつめやすいのです。親としては、小学校に入る前に「しっかりしてほしい」子どもが困らないようにしたいという思いからかもしれませんが、子どもからすると「小学生になるって大変なことなんだ」という恐怖を覚えてしまうのです。子どもに直接でなくとも、家庭の中の会話で、「○○(お子さんの名前)は、おとなしいから、小学校に入ってから心配」「学童でうまくやれるのか」といったネガティブな内容の会話を繰り返し耳にすることで不安になる場合もあります。こうした原因を断つためには、親の普段の声掛けや子どもの前での会話に気を付けることも大切です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら