インドネシアのネットサービス大手のGoTo(ゴートゥ)は11月11日、13億ドル(約1474億円)の資金調達を完了したと発表した。同社は2021年5月、配車サービス大手のゴジェックと電子商取引(EC)大手のトコペディアが合併して発足したインドネシア最大のインターネット企業だ。
GoToは東南アジア最大の未公開IT企業でもあり、近い将来のIPO(新規株式公開)を計画している。今回の資金調達ラウンドの投資家リストには、中国からプライベート・エクイティ・ファンドの春華資本(プリマベーラ・キャピタル)とネットサービス大手の騰訊控股(テンセント)の2社が名を連ねた。
中国以外の主な投資家は、アラブ首長国連邦のソブリン・ウェルス・ファンドであるアブダビ投資庁(ADIA)の子会社や、シンガポールの政府系投資ファンドのテマセク・ホールディングス、テマセク傘下のオルタナティブ投資ファンドのシータウン・マスター・ファンド、マレーシアの政府系投資ファンドのペルモダラン・ナショナルなど、そうそうたる顔ぶれだ。
中国ネット企業のノウハウ注入へ
GoToの開示情報によれば、同社のプラットフォームを通じて行われた2020年の取引件数は18億件に上り、取引総額は220億ドル(約2兆4939億円)を超える。今回の資金調達について、同社のアンドレ・スリスティヨCEO(最高経営責任者)は「インドネシアと東南アジアのデジタル経済は急速に発展している。わが社に対する投資家のサポートは、それに対する(投資家の)自信を反映している」とコメントした。
中国の投資家2社のうち、春華資本は今回がGoToに対する初投資だ。「GoToはインドネシア最大の包括的なデジタル・エコシステムを擁している。われわれはEC、ライドシェア、フィンテックなどの分野への(中国での)投資経験とリソースを生かし、GoToを支援したい」。春華資本のシンガポール法人の総経理(社長に相当)を務める呉忠氏は、そう意気込みを語った。
一方、テンセントはトコペディアと合併する前のゴジェックに早くから投資していた。シンガポールの投資調査会社モメンタム・ワークスのレポートによれば、テンセントはゴジェックの発行済株式の3.58%を保有していたが、合併後のGoToの持ち株比率は明らかにされていない。
(財新 駐香港記者:尉奕陽)
※原文の配信は11月11日
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