上司に「愛の値段を計算しろ」と言われたら? このムチャぶりで「数字力」がわかる

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経営大学院での授業や、数字力をテーマにしたセミナーなどで、「数字が得意ですか、苦手ですか?」という質問をすると、だいたい9割近くの参加者が数字は苦手だと答えるのが常になっています。大多数の方が、数字は難しい、苦手だと考えているのです。

これまで多くの方に授業や研修を通じて接してきた経験から、実は苦手を得意にするには、ちょっとしたコツがあると考えています。そのコツがまさに「比較すること」なのです。

なぜ「比較」が重要なのか

それでは、なぜ比較することが大切なのでしょうか? それには少しさかのぼって、何のために分析をするのかについて考える必要があります。ビジネスとは皆さんが望む結果に対して、いかにして効率的な打ち手を選択するかに集約されます。ちょっと違った言い方をすると、因果関係を押さえたアクションを起こせば未来を変えることができる、ということになります。

したがって、ビジネスにおける分析は、効率的な因果関係を組み立てるために、大まかにいうと以下の3つのタイプの質問に答えなければなりません。

Where=どこに絞り込めば効率的か?

Why=何が結果に効くのか?

How=Whyを踏まえた効果的な解決策は何か?

実は、この3つの問いに数字を使って答えるには、「比較」するしかないのです。

たとえば、あなたがコンビニエンスストアで新しい商品(仮に有機食材にこだわった弁当)の販売企画を担当しているとしましょう。あなたは、どのお客さんをターゲットに絞り込めばいいか(Where)、どのようなパッケージにすればより売れるか(Why、How)を考えなければなりません。

まず、ターゲット(Where)を考えましょう。有機食材の弁当に関心を持って反応してくれる層はどのような層かを考えなければなりません。たとえば、消費者アンケート調査の回答から、小さな子どもがいる主婦層が、有機食材に極めて敏感に反応することがわかったとしましょう。このプロセスは、まさに主婦層とほかの顧客層の間で、有機食材への関心度の大きさを「比較」していることにほかなりません。

そのうえで、このような小さな子どもを持つ主婦層に向けて、どのような訴求策をとればより多く売れるか(Why、How)を考えることになります。たとえば、過去、食材にこだわった弁当を出した際には、生産者の似顔絵をパッケージに入れた場合と入れなかった場合で、売り上げに大きな違いがあり、似顔絵があったほうが圧倒的に弁当が売れたことを思い出したとしましょう。あなたは今回も、似顔絵をパッケージ入れたほうが売れるに違いないと考え、似顔絵を入れることに決めるでしょう。これはまさに、似顔絵のある弁当とない弁当の売り上げを「比較」して、打ち手を考えていることに他ならないのです。

でも、何をどうやって「比較」するの?

さて、数字力の最大のコツは「比較すること」だと言ってきました。ただ、数字のデータは実際には量も多く、そのままでは比較が難しいのが現実です。また、比較にあたっては何に注目し、どのように比較すればいいのでしょうか。さらにそれを伝えるにあたって、どのようなグラフを選べばいいのでしょうか。

実はデータはそのままでは簡単に「比較」できないため、なんらかの形で加工し、まとめ上げる必要があります。

新刊『27歳からのMBA グロービス流ビジネス基礎力10』では、簡単に比較できない数字を加工し、まとめ上げる方法を詳しく解説しています。興味のある方は、ぜひ手に取ってみてください。

(お知らせ)新刊『27歳からのMBA グロービス流ビジネス基礎力10』の刊行を記念し、下記の通りセミナーを開催いたします。
セミナー名:「成長スピードを加速させるスキルとトレーニング方法」
日時:9/9(火)20時~
場所:グロービス経営大学院東京校
詳細は、下記URLをご覧ください。
http://mba.globis.ac.jp/seminar/detail-4139.html
鈴木 健一 グロービス経営大学院 事務局長

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すずき けんいち / Kennichi Suzuki

東京大学工学部卒業、同大学院工学系研究科修了。シカゴ大学ブースビジネススクール修了、MBA。株式会社野村総合研究所、A.T.Kearneyで主としてメーカー、通信事業者を対象として新規事業開発からオペレーション改善まで幅広くコンサルティングに従事。

その後、グロービス経営大学院の建学に参画し、現在は事務局長として学校運営に携わると同時に、「ビジネス定量分析」をはじめとする思考系科目の企画開発、教育研究にあたる。

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