GAFAの戦略バイブルに書かれていた「すごい予言」 知っておくべき「情報経済」というキーワード
かくして強者はますます強く、弱者はますます弱くなり、正のフィードバックの上昇気流に乗った企業が最大の勝者になる。検索エンジン(グーグル)やSNS(フェイスブック)のように、「勝者総取り」の市場になる。こうして見ると、GAFAは情報経済の鉄則に忠実に沿って戦略を展開してきたことがわかるだろう。
GAFAと比較すると、いまだ「ものづくり」にこだわっている日本企業は、情報経済の鉄則を十分に理解しているとは言いがたい状況に見えてしまう。しかし依然として「やはり日本はものづくりしかない」と言っている日本企業は少なくない。
危機感を持って先手を打つ日本企業も
一方で情報経済の鉄則を熟知するGAFAをはじめとするライバルたちは、その強みを生かして、さらに新しいビジネス領域に触手を伸ばしている。
たとえばアマゾンはリアル小売り店舗や配送業への挑戦を、グーグルやアップルも自動運転への挑戦を、長年しぶとく続けている。彼らがリアルビジネスに挑戦するときも、徹底したIT利活用により情報経済の鉄則を忠実に守り、スケーラブルなビジネス実現を目指している。情報経済の鉄則を理解しないまま彼らと同じ土俵で戦うことは、大相撲の横綱にちびっ子力士が挑むようなもの。まず勝ち目はない。
そんな中、大きな危機感を持って先手を打つ日本企業もある。
空調機器で最大手のダイキン工業・十河政則社長兼CEOは、グーグルやアップルが住宅全体を制御・コントロールし始めたら、「空調」がデバイスの1つになる可能性もある、という危機感を持っている。このために、たとえば顧客の空調データを収集して顧客価値を高めるソリューション事業に注力することで、ビルの世界でプラットホームを確立すべく変革に取り組んでいる。
情報経済の比重が大きくなった現代において、情報経済の鉄則の重要性はますます高まっている。デジタル化が急速に進むこの世界でビジネス判断を下す際に、何に注目すべきなのかを考えるうえでも、本書の内容はぜひ理解したい。
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