新庄剛志監督が就任会見で見せたリーダーの資質 決して「面白い人」「変わり者」ではない

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さらに、「それを考えているときも楽しいし、考えたものを行動に移して、成功したときのうれしさはたまらなくあると思うし、それがプロ野球を変えていく1つの方法であると思います」と続けました。ここでも、「目標を達成するためにはどんなことからはじめていけばいいのか」をうかがわせる様子が見られ、「それはどんな作戦なのか」という興味を抱かせています。

新庄さんはこれら以外にも、自分の考えを選手たちに伝えるために本にして渡すことを明言しました。「まだ就任したばかりの段階であり、機密事項であるにもかかわらず、話せるギリギリの範囲まで口にした」という行為が、頭の中にビジョンがあることを物語っていたのです。

穏やかで厳しい選手へのメッセージ

新庄さんは自分のことを「監督ではなく“ビッグボス”と呼んで」と言っていましたが、会見ではいかにも“ビッグボス”らしいメッセージ性のある言葉が何度も聞こえてきました。

「(新人選手だけでなく)全員がドラフトでかかった選手だと思ってるんで、レギュラーなんて1人も決まっていません。新人、2年目、3年目の選手がキャンプでガッと伸びたら全部若い選手で固めるかもしれないし、『開幕投手が誰』とかまったく決めてないし、今年入ったドラフト1位の子が開幕投手で投げているかもしれないし、そういった争いをどんどんさせたいと思います」

「選手の顔と名前、まったく知らないんですよ。ただ1年間勉強してプレーはしっかりインプットしています。だからキャンプに行って顔と名前とプレーの答え合わせをして、いいチームを作っていきます。だからみんな(スタート)ラインは一緒。そのためにはキャンプに入るまで(が勝負)。このスタートラインに入ったときには、ほぼほぼレギュラーは決まってると思うんですよ。だからオフシーズン、自分でいろいろ考えて体を作って、頭の中をアップデートして、みんなで楽しく厳しく……まあ厳しくはなると思います。僕が(現役時代)そうやってきたんで。そういう気持ちでオフシーズンを過ごしてください。お願いします」

「(選手として大切なことを聞かれて)やっぱり人間性というものは大事であって、人の悪口は言わない。『いただきます』『ありがとうございました』を言える人を育てていきたいですね。僕はチャランポランにしていますけど、上下関係とかはタイガース時代や小さいころから本当に親の教育でしっかりしたものを持っていて、それをみなさんに納得してもらってこういう立場に立たせてもらったので。選手には『日々のプライベートの生活はあとに役立つよ』というのは教えていきたいと思います」

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