中国の不動産会社でまたもやデフォルト(債務不履行)が発生した。香港証券取引所に上場する中堅デベロッパーの当代置業(モダンランド)は10月26日、前日が償還期限だった海外発行の社債の元本と利息を支払えなかったと発表した。
今回デフォルトしたのは2019年4月25日に発行された元本3億ドル(約341億円)、表面利率12.85%のドル建てシニア債で、毎年4月25日と10月25日に利息を支払うことになっていた。
当代置業の説明によれば、マクロ経済および不動産業界を取り巻く経営環境(の悪化)や、新型コロナウイルスの流行など多数のマイナス要因が重なり、同社の資金繰りに想定外の問題が発生した(ためデフォルトを避けられなかった)という。
同社は2000年の創業で、北京に本社を置き、建築デザインに現代アートの要素を取り入れた物件開発を売り物にしていた。2020年の販売契約の総額は422億1200万元(約7513億円)。市場調査会社が発表する中国の不動産デベロッパーのランキングでは、上位100社のなかで76位だった。
海外発行の未償還社債がさらに4本
当代置業のデフォルトは突然の出来事ではなかった。償還期限の2週間前の10月11日、同社は社債の保有者に対して、元本および利息の支払いを2022年1月25日へと3カ月延期することを要請した。その時点の情報開示によれば、問題の社債の残高は2億5000万ドル(約284億円)だった。
この動きを受け、大手格付け会社のムーディーズは10月12日、当代置業の発行体格付けを「B2」から「Caa2」に、シニア無担保社債の格付けを「B3」から「Caa3」に引き下げた。ムーディーズはその際、償還期限の延期要請は「当代置業の資金繰りが急速に悪化していることを示している」とコメントした。
その後、当代置業は10月20日に「償還期限の延期要請を中止した」と発表。翌21日には、香港市場における同社の株式および社債の一時的な取引停止を宣言していた。
当代置業には、今回デフォルトした社債のほかにも海外発行の未償還社債が4本あり、合計残高は10億9600万ドル(約1246億円)に上る。そのうち元本2億ドル(約227億円)、表面利率11.8%の1本は2022年2月26日に、元本3億ドル(約341億円)、表面利率11.5%の1本は2022年11月13日に償還期限を迎える。
(財新記者:牛牧江曲)
※原文の配信は10月26日
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