中国では、10月初旬から中旬にかけて新型コロナウイルスの局地的流行が落ち着きを見せた。さらに10月1日からの国慶節(中国の建国記念日)の「7連休効果」が重なり、(外食や旅行などの)サービス需要が拡大した。
こうした状況を背景に、11月3日に発表された2021年10月の財新中国サービス業経営活動指数(サービス業PMI)は53.8を記録。前月(53.4)より0.4ポイント上昇し、好不況の目安とされる50を2カ月連続で上回った。
サービス業の10月の事業活動は、前月に続いて供給と需要がそろって拡大基調を維持した。調査対象企業からは「新規受注の増加と新型コロナの局地的流行の落ち着きが、ビジネスの活性化を後押しした」との声が寄せられた。
10月は(長らく低迷していた)外需にも回復の兆しが現われた。海外では新型コロナの流行下でも経済活動の再開が進んでおり、サービス輸出の新規受注指数は過去6カ月間で最大の上昇幅を記録。前月までの縮小基調から拡大基調に転換した。
インフレとコロナ再流行が懸念材料
供給と需要の拡大に牽引され、サービス業の10月の雇用指数は2カ月連続で拡大基調を維持した。調査対象企業からは「需要の増加に供給を対応させるため、新規採用を増やしている」との声が多く聞かれた。もっとも、雇用指数の水準自体は(拡大基調と縮小基調の)ボーダーラインをわずかに上回るレベルにとどまっている。
そんななか、サービス業の経営者を悩ませているのがインフレ圧力の高まりだ。人件費、物流費、原材料費などが反映される投入価格指数は16カ月連続の上昇となり、10月の上昇幅は前月より拡大した。
堅調な需要を拠り所に、サービス業ではコストアップの一部を価格に転嫁する動きが増えている。サービス業の10月の販売価格指数は過去3カ月間の最高値に上昇した。だが、中国では10月下旬から新型コロナの局地的流行が再び拡大しており、先行きは楽観できない。
(財新記者:範浅蝉)
※原文の配信は11月3日
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