仕事がつまらない人の共通点
さて、典型的に陥りがちな3つのパターンを見てきたが、すべてに共通項があったことにお気づきだろうか。それは、いずれのパターンも「基礎」から目を背けている、ということだ。
スポーツで言うならば、持久力のトレーニングや、瞬発力を高める訓練、もしくは足腰や体幹を鍛えるような一見地味なトレーニングを怠って、表面的でわかりやすく、取り組みやすいトレーニングにばかり励んでいる姿に近いだろう。
私は、この手の基礎的なトレーニングを怠るタイプの人は、やがては「自分の仕事に誇りや信念を持つ」ということができなくなる、と考えている。裏を返せば、仕事に対する不平不満を並べる人のほとんどは、基礎力に欠けている、と言っても過言ではない。だからこそ、基礎力を高めるトレーニングは絶対に必要なのである。
仕事は、さまざまな矛盾やトラブルの連続だ。あちらを立てれば、こちらは立たず。顧客の要望をかなえようとしても、社内の仕組みに立ち往生することなどは日常茶飯事である。そういうときに、基礎力がない人は、課題に正面から立ち向かうことができないために、往々にして「逃げ」に走る。
「うちの社内は古いからもう仕方ないよね……」
「うちの上司は頭が固いんだよね……」
そういうセリフを日常的に吐く人は、自分の仕事を斜めからしか見られなくなり、やがては「誇り」や「信念」というものを失っていく。そして、仕事を「こなすもの」と考えるようになっていくのだ。
そういうセリフを吐く前に、まずは目の前にある課題を適切に把握するためのスキルや、それを的確に人に伝える力、そして社内を前に動かす術を身に付けることが先決だ。身の回りで大成しているビジネスパーソンも、華々しい成果の裏側には、基礎の積み重ねがあることを忘れてはならない。何か事を成し遂げようと思ったら、基礎からトレーニングをしなくては土俵に上がれないのだ。
自分の能力開発について、今回整理した3パターンのいずれかに該当するかも、という人は、ぜひ、新刊『27歳からのMBA グロービス流ビジネス基礎力10』を手に取っていただき、「基礎とは何か?」「自分はその力を持っているのか?」と自問自答する機会を作ってほしい。この書籍が、若手の方を中心に、多くの人の能力開発の助けになることを願っている。
日時:9/9(火)20時~
場所:グロービス経営大学院東京校
http://mba.globis.ac.jp/seminar/detail-4139.html
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