「教育には保育園より幼稚園」と誤解する人の盲点 幼児期の「教育の質」は「遊びの質」に左右される

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なお、転園先が保育園か幼稚園かに限らず、転園を検討したほうがよい場合もあります。たとえば、次のような場合です。

園庭がないのにお散歩も少ない
幼稚園の基準では園庭は必須ですが、認可保育園の基準では公園で代替してもよく、園庭のない園がふえています。園庭がないのにお散歩も少ない園は、この時期の体の発達に必要な運動量を確保できていない可能性があります。体操教室などがあっても、戸外遊びは十分に確保する必要があります。
幼児が少ない
低年齢児中心の認可外園などでは、3歳以上児が少ない場合があります。数人いれば仲間遊びができますが、1人とか2人になると、小さい子どもたちの中でぽつねんとしてしまう時間があるかもしれません。
保育者がきつい・子どもが怯えている
子どもへの当たりがきつい、怒鳴る、侮辱する、閉じ込める、体を乱暴に扱う、といった保育者の行為は問題です。こういった不適切保育は子どもの心に悪影響を与える場合があります。

「保育園から幼稚園」に転園する際のチェックリスト

転園先として幼稚園を選ぶ場合、念のために次のことをチェックしておいたほうがよいでしょう。

預かり保育:保育時間、保育日(長期休暇中も含め)、保育の内容(部屋の中でビデオを見せているだけという園もあった)、お昼寝の有無(年少で長時間保育の場合、お昼寝がないと困ることも)などは確認しておきましょう。
給食:保育園は必ず調理室があって園内調理の食事が出ますが、幼稚園はない場合も多いでしょう。外部の業者から食事を搬入している場合は、どんな食事内容なのか、お弁当の日はあるのか、どのくらいあるのか、などが気になります。
行事等:保育園では行事を土日に設定する場合が多いのですが、幼稚園は平日の日中に行事やPTA活動などを行うところも少なくないようです。仕事を休みにくい人は、行事日程にも注意しましょう。
働く親への理解:上記のことに関係しますが、親が働いている家庭の事情を理解し、応援してくれているかどうかは見ておく必要があります。預かり保育を実施していても、母親が働くことに賛成ではない園もあって、いろんな場面で対立してしまうこともあります。

保育園も幼稚園もさまざまです。保育園にしても幼稚園にしても、園生活をしっかり見て選ぶことをお勧めします。

普光院 亜紀 「保育園を考える親の会」アドバイザー

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ふこういん あき / Aki Fukoin

早稲田大学第一文学部卒。保育園に子どもを預けて働く親のネットワーク「保育園を考える親の会」顧問・アドバイザー。保育ジャーナリスト。大学講師。著書「後悔しない保育園・こども園の選び方」(ひとなる書房)、「不適切保育はなぜ起こる」(2024年6月20日刊行、岩波新書)ほか多数。

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