特に、大人や友だちとの「かかわり」の中で育まれる自己肯定感や意欲、共感性、自制心、社会性などは「非認知能力」と呼ばれています。教育政策についてまとめられたOECDの報告には「社会情動的スキル」(非認知能力)は将来の学力等の伸びにもつながるものであり、早い時期から育成することが望ましいと書かれています。
このため、保育園や幼稚園は、子どもが集団でいて、遊びの中で「かかわり」を深められる場であるという特性を活かすことが期待されています。
子どもの遊びが充実しているかどうかは、保育(教育)の質を測る重要な指標になっているのです。保育者の働きかけや保育環境を工夫して子どもの遊びを豊かに広げられるかどうかは、保育者の専門性が試される部分です。室内や戸外の遊びの環境が豊かで、子どもが生き生き活動している園は、通り一遍の「習い事」よりも優れた教育プログラムをもっていると言えます。
自由時間が少ないのは逆効果
反対に、大人の指示・命令で動かす一斉活動が多すぎて、自由な遊びの時間が少なくなっているような園は、「教育の質」が低下している恐れがあります。
2016年に保育園・幼稚園の子どもの運動能力を計測した調査で、特別な体育指導を行なっていない保育園・幼稚園の子どもの平均値ほうが、指導を行っている園の子どもの平均値よりも高かったという結果も出ています。
「3歳から幼稚園?」と思っている人は、現在通っている保育園の保育に満足していないのかもしれません。もしも満足していて、子どもが喜んで通っているのであれば、そして保育者との信頼関係ができているのであれば、わざわざ転園する必要はありません。
園生活について親子が安心できていることは、大きな財産です。親は余計な心配をしないで仕事ができるし、子どもは信頼できる保育者に見守られて安心できます。安心できれば、元気いっぱい遊ぶことができて、心身の健やかな育ちが促進されます。
この観点からもう一度、今通っている園や子どもの様子を観察してみてください。そして、転園先候補の園の保育についても、見学したり保育者の話を聞いたりして、どちらがわが子に合っているか見きわめてほしいと思います。
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