グーグル社内の「風通し」が圧倒的にいい理由 自社サービスを駆使し社内の情報共有を活性化
グーグルの従業員は、完全にグーグルドライブの中で作業する。たとえばドキュメントとスプレッドシート、スライズ(パワーポイントのグーグル版)を使って計画を作成し、会議の議事録をとり、財務情報をまとめ、プレゼンテーションをする。
グーグル社内では、グーグルドライブに置かれたファイルはほぼ誰でも開けるようになっていて、進行中のプロジェクトについてのあらゆる情報を知ることができる。また、グーグル社員は、一緒に働きたい同僚を見つけたら、グーグルのイントラネット「モマ」で相手のことを調べて連絡がとれる。これらのシステムを通じて、グーグルはその規模としてはこれまでになく風通しがよい企業になっている。
グーグルドライブをオープンなものにすることで、グーグルは文書そのものの共同作成すら可能にしている。このほかにも、スケプティックスなどのメーリングリストや「TGIF(Thank God It’s Friday:金曜日だ!)」という経営陣たちとの質疑応答セッション、グーグル社員が社内向けストーリーラインにミームを投稿するウェブサイト「ミームジェン」といったグーグルのコミュニケーションツール群は、同社の成功にとって不可欠だ。
変革の主導者、サンダー・ピチャイ
コミュニケーションツールは新しいプロジェクトのスピードを速め、アイデア創造の余地をつくるために必要な実務作業の削減につながる。アイデアを社内にあっという間に広めて、変革と改良のきっかけとなる。決まりきった事務作業を削減し、集合精神をもった同僚たちとともに働く大切さを強調することで、コラボレーションを可能にし、期待されるものを実現する。
これらのツールのおかげで、グーグルはこれまでの15年間に何度も検索を変革し直してきた。そしてどの進化においても、現在のGoogleの最高経営責任者であるサンダー・ピチャイが不可欠だった。
2015年、アルファベットという株式会社が設立され、グーグルはその子会社となった。この新しい組織では、Google社を共同設立したラリー・ペイジとセルゲイ・ブリンがアルファベットのCEO兼社長となり、それまでユーチューブ以外の同社製品すべてを担当していたピチャイがグーグルを指揮することになった。
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