伊藤忠商事の中国食料戦略、日本企業を大陸へつなぐ

伊藤忠商事の中国食料戦略、日本企業を大陸へつなぐ

量産パンの中国トップブランドになる--。こんな大きな目標を掲げ、日中合弁の製パン会社が来年春の事業開始に向けて準備を進めている。

中国の大手食品会社、頂新グループと「Pasco(パスコ)」ブランドで知られる国内2位の敷島製パン、伊藤忠商事による共同事業で、3社は2008年に合弁の製造販売会社を設立。現在、上海郊外の嘉定区に総費用30億円を投じて工場を建設しており、来年初の稼働を計画する。

日本から敷島製パン参画 製パン大手第1号目指す

中国は経済成長とともに食の欧米化が進み、年率30%前後の勢いでパンの需要が伸びている。足元の牽引役は若い女性の人気を集める店内調理型のインストア・ベーカリーだが、今後は幅広い消費者を対象とした一般小売店ルートでの量産パンの需要拡大が期待されている。中国の量産パンメーカーはいずれも小規模で、ナショナルブランドの製パン会社がまだ存在しない。その第1号になるのが新会社の大きな目標だ。

新会社の出資比率は、頂新傘下企業で調味料、乳製品事業などを手掛ける味全食品工業が60%、敷島製パン24%、伊藤忠が16%。頂新と伊藤忠グループが共同運営する中国ファミリーマートや現地の有力スーパーなどを通じ、「味全Pasco」ブランドの菓子パンや食パンを販売する。当初は中国最大の経済都市である上海を中心に展開するが、段階的に販売エリアを広げ、5年後には数量で7000万個、売上高で約3億元(円換算で約40億円)を目指すという。

頂新は、台湾出身の魏4兄弟が率いる中国有数の食品企業集団。もともとは台湾で油脂事業を営んでいたが、1990年代の中国進出後に立ち上げた即席麺事業で大成功し、飲料や外食、小売りなどにも事業を拡大。「康師傳(カンシーフ)」ブランドの即席?は中国で5割以上のシェアを持ち、その年間生産量130億食は日本の消費量の2・5倍に相当する。成長が続く中国で食料関連の新事業を次々に立ち上げており、今回進出する量産型の製パン事業もその一つだ。

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