「LGBTQヒーロー」が歓迎されるべき納得理由 ヒーローは「白人男性」だけの特権ではない

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このような例が、ハリウッドでこれから先、ますます見られるようになっていくことは間違いない。

最近、マーベルのトップであるケヴィン・ファイギは、現在製作中の『マイティ・ソー』シリーズ第4弾と、来月公開予定の『エターナルズ』にLGBTQのキャラクターが登場することを認めている。

かつて白人ストレート男性ばかりを主人公にしてきたマーベルは、近年、女性が主役の『キャプテン・マーベル』『ブラック・ウィドウ』、黒人キャストの『ブラック・パンサー』、アジア系キャストの『シャン・チー/テン・リングスの伝説』を公開し、いずれも成功させてきた。さまざまな背景の人間を主役に据えてきた彼らが、次にLGBTQのキャラクターを登場させるのは、当然の流れとも言える。

「白人ストレート男性」だけがヒーローではない

ファイギはまた、『ブラック・パンサー』が公開されたとき、自分みたいなヒーローが登場することに感激した黒人のファンが「白人はいつもこんなふうに感じてきたのかな」と投稿したのを見てはっとしたとも語っている。

白人ストレート男性である自分は、それを当然のことと受け止めてきたのだと、そのとき初めて気づいたというのだ。幸い、ファイギには状況を変えていくパワーがある。そのことを十分認識している彼は、今後、そのパワーをたっぷりと使っていくはずだ。

そして、多様化への意識が進むハリウッドには、同じことを考えている人が、ファイギ以外にもいる。今回のスーパーマン騒動は、まだ始まりにすぎない。そのうちきっと、いちいち騒がれることもなくなっていくことだろう。少なくとも、そう願いたいものだ。

猿渡 由紀 L.A.在住映画ジャーナリスト

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さるわたり ゆき / Yuki Saruwatari

神戸市出身。上智大学文学部新聞学科卒業。女性誌編集者(映画担当)を経て渡米。L.A.をベースに、ハリウッドスター、映画監督のインタビュー記事や、撮影現場リポート記事、ハリウッド事情のコラムを、『シュプール』『ハーパース バザー日本版』『バイラ』『週刊SPA!』『Movie ぴあ』『キネマ旬報』のほか、雑誌や新聞、Yahoo、ぴあ、シネマトゥデイなどのウェブサイトに寄稿。米女性映画批評家サークル(WFCC)会員。映画と同じくらい、ヨガと猫を愛する。
X:@yukisaruwatari
 

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