「住みよさランキング」を地方(地域ブロック)別に見ると、まず「北海道・東北」では名取市(宮城、総合25位)が1位となり、昨年1位の本宮市(福島、総合26位)は2位に後退した。名取市は仙台市の、本宮市は郡山市のベッドタウンとして、いずれもそれぞれの20%通勤圏にある。名取市は「イオンモール名取エアリ」など大型ショッピングモールが立地していることから「利便度」で全国トップクラス(9位)にあるが、本宮市は介護施設の充実度が高いことなどから「安心度」の評価が高く、部門ごとの順位から見た両市の姿は対照的だ。
「関東」も昨年1位の印西市(千葉、総合5位)に替わって成田市(千葉、総合3位)が、「近畿」も昨年1位の芦屋市(兵庫、総合18位)に替わって守山市(滋賀、総合10位)が1位となった。
順位変動の理由としては、「関東」では成田市の「安心度」の偏差値が昨年と比べ約2.5ポイント上昇(順位は227位→124位)したのに対し、印西市の「富裕度」の偏差値が約1.5ポイント下がった(順位は40位→50位)ことが上げられる。近畿では、守山市に大型ショッピングモール「ピエリ守山」が開業したことから、同市の「利便度」順位は昨年の473位から211位へと大きく上昇し、総合順位で芦屋市を逆転した。
「中国・四国」は下松(山口)、「九州・沖縄」は鳥栖(佐賀)が連続トップ
「中国・四国」は下松市(山口、総合41位)が、「九州・沖縄」では鳥栖市(佐賀、総合4位)が一昨年、昨年に続き、3年連続でトップとなった。
臨海工業都市として発展した下松市は、近年は大型ショッピングモールが相次ぎ開業し、隣接する周南市や光市などを含めた商圏の中心に成長、「利便度」では全国6位とトップクラスにあることが貢献している。「中国・四国」では2位の東温市(愛媛)が総合79位と差があるため、優位を保っている。
鳥栖市は「九州・沖縄」の都市としては唯一、常連として上位に名を連ねている。その要因として、(1)交通の要衝であり、福岡市内への通勤圏(福岡市へは福岡県久留米市よりも近い)にあり、人口増とそれにともなう住宅着工件数が増加していること、(2)久光製薬本社のほか、ブリヂストンなど多くの工場が立地しており、税収が相対的に多いこと、(3)アウトレットモールが所在し、小売り関連の指標が高いこと、が挙げられる。「九州・沖縄」では、合志市(熊本)が昨年32位から今年20位とトップの座を脅かすところまで迫ってきた。