「仮想通貨」で安易に一攫千金を狙う人の落とし穴 理解できないものに「投資」してはいけない

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そもそもビットコインをはじめとする暗号資産とは何か。日本銀行のホームページでは以下のように説明されている。

「暗号資産(仮想通貨)」とは、インターネット上でやりとりできる財産的価値であり、「資金決済に関する法律」において、次の性質をもつものと定義されています。
(1)不特定の者に対して、代金の支払い等に使用でき、かつ、法定通貨(日本円や米国ドル等)と相互に交換できる
(2)電子的に記録され、移転できる
(3)法定通貨または法定通貨建ての資産(プリペイドカード等)ではない

上記の説明はわかりやすく書かれているが、「資金決済に関する法律」の第二条第5項目において定義されている暗号資産の内容と同じである。

もともと暗号資産は銀行などの第三者を仲介せずに財産的価値をやり取りすることが可能な仕組みとして高い注目を集めたものの、昨今では投機の対象となっているだけの印象を筆者は受けている。

一時期は前述のテスラの例のように、買い物でも使えるデジタルマネーになるという期待を寄せた記事やニュースを目にしたが、当時から筆者はどう考えてもそうはならないと思っていた。冒頭に1カ月で70%近く値上がりしたという話を紹介したが、当然その逆も起こりうる訳であり、それほど変動率が高いものが商品を購入する際の決済手段に適しているとは思えないからだ。

株式や為替との違いは明確

そして、何よりも暗号資産は円やドルなどの法定通貨と違い、裏付けとなる資産は存在しない。裏付けといっても現在の法定通貨も不換紙幣であり、金などの貴金属が裏付けとなっているわけではないが、少なくとも自国の通貨であればその国で納税をする手段として使用可能であり、その際には額面どおりの価値での納税ができる。

このような説明をすると混乱する投資未経験者が多くいるが、混乱している理由は明確だ。暗号資産と「中央銀行デジタル通貨(CBDC)」を混合して理解しているからである。あくまで法定通貨をデジタル化したものがCBDCであり、いずれはCBDCで買い物だけでなく納税もできるようになると考えるが、暗号資産は買い物をすることができたとしても、日本やアメリカで納税に使えるようになる可能性は著しく低いだろう。

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