「仮想通貨」で安易に一攫千金を狙う人の落とし穴 理解できないものに「投資」してはいけない

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投資未経験者が陥る暗号資産の罠とは……(写真:【IWJ】Image Works Japan/PIXTA)

この数カ月、筆者の元に似たような相談が何件も寄せられる。それは「ビットコインに投資をしたいが、どう思うか?」というものだ。

自らリスクをとって自分のお金を投じるわけだから、好きにすればいいと思うのだが、1つ気になるのはどれも投資未経験者からの質問であるということだ。最初の投資が投資信託でも株式でもなく、ビットコインというところに時代を感じるわけだが、今回はビットコインをはじめとする暗号資産への投資について考えてみよう。

暗号資産を巡る近況

ビットコインやイーサリアムなどの名前は聞いたことがあり、それらの総称は「仮想通貨」だと思う方もいるかもしれない。実は昨年の5月1日に施行された資金決済法の改正により、「仮想通貨」は「暗号資産」という呼び名に変更されている。

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ビットコインが8月に入って7月の安値から70%以上も値上がりしたことや、9月に中央アメリカのエルサルバドルがビットコインを法定通貨(アメリカドルと併用)として採用したことなど、ビットコインに関するニュースは連日のように目にする機会がある。

過去にはアメリカ電気自動車大手テスラのCEOであるイーロン・マスク氏がビットコインを車の購入代金の支払い手段として認める可能性をツイッターで示唆して、その後にビットコインの価格が急騰したというニュースもあった。

このようにビットコインのニュースがあるたびに、自分の周りで「ビットコインを買ったら儲かった」という話を聞いたり、SNSやブログで暗号資産に投資をして短期間で資産を増やしたという情報を目にすることで投資未経験者が興味を持つのだろう。

実際に暗号資産への投資に興味を持った投資未経験者に株式投資ではなく暗号資産へ投資しようと思った理由を聞いてみたところ、「株式投資とは違って難しくなさそう」や、「なんとなくオシャレでカッコいいと思った」などの回答を得た。

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