人の限界を超えるテクノロジーは「神への冒涜」か ネオ・ヒューマンと「人工流れ星」で考える科学
イギリスのロボット科学者であるピーター・スコット-モーガン博士は、全身の筋肉が動かなくなる難病ALSで余命2年を宣告されたこと機に、人類で初めて「AIと融合」し、サイボーグとして生きる未来を選んだ(詳しくは「人類初『AIと融合』した61歳科学者の壮絶な人生」参照)。
「これは僕にとって実地で研究を行う、またとない機会でもあるのです」
人間が「サイボーグ」となり、「AIと融合」するとはどういうことか。それにより「人として生きること」の定義はどう変わるのか。
世界で発売直後から話題騒然の『NEO HUMAN ネオ・ヒューマン――究極の自由を得る未来』が、ついに日本でも刊行された。
本書を読んで「ピーター氏がサイボーグ化するのも、自然の営みの一部だと思います」と語るのが、世界初、「人工流れ星」を降らせるベンチャー企業、ALE代表の岡島礼奈氏だ。その見解を聞いた。
数億年後の人間は「情報」だけになる?
ピーターさんは、体をサイボーグ化してゆき、脳とAIを融合させて、最終的にはVRの世界に入り込んで生きる未来を描いています。
私も、80歳ぐらいになって、体が動かなくなったら、VRの世界に溶け込んで遊んでいたいなと思いました。私にとっては、それほど想定外の話ではなく、将来的にはこうなるだろうなという「ありえる未来」です。
地球とは違う環境にある生き物が、どのように進化していくかという世界を描いた『地球外生物の世界』(2020年、ネットフリックス)という映像ドキュメンタリーがあります。酸素濃度が高い場所や、気温が高い場所にある植物や動物がどう進化するかを描いたものですが、その中に、超高度に文明が発達した世界がどうなるかというテーマを扱った回がありました。
そこでは、知的生命体が箱の中にいて、すでに生き物の形をしていないと想定されています。そこには脳しかなく、脳と脳をネットワークでつないでいろいろなことを考えながら、エネルギーは外部から取り入れているという世界観です。
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