時代映すヒットCMから読み解く「家族像」の大変化 かつては「亭主元気で留守がいい」、今は?
ユニクロが今年発表したCMに、新しい家族像を示唆する作品があった。
綾瀬はるかが花屋の店員を演じ、そこに訪れた女性二人に「もしかして記念日ですか?」と尋ねる。そして二人の日常の生活が映し出され、一緒に暮らすカップルと知れる。家族のダイバーシティをここまではっきりと描いたCMは、これまでなかったのではないだろうか。
現代的なメッセージとともに企業姿勢が鋭く伝わってきた。今後はこのような家族の多様性を描くCMが増えていくことだろう。
制作側も細心の注意を払っている
食品やトイレタリーのCMにおいても家族の描き方に変化が生じている。「誰が料理を作るのか」「誰が家事をするのか」というジェンダー・テーマに結びつきやすいカテゴリーであり、「女性が行うのが当然」という文脈で捉えられると視聴者に違和感を与えてしまう。
ゆえに、最近のCMは男性が料理を作ったり、夫が食器を洗っていたりする。家族のあり方や役割を描くのは繊細で難しいテーマであり、制作側も細心の注意を払っている。
そしてCMに描かれる家族は、時代とともにさらにその姿を変えていくはずだ。CMが社会や時代を映す鏡と言われるゆえんである。世の中の変化や空気感をいち早く捉え、本質を鋭く突くインサイトは視聴者の意識を刺激し、「亭主元気で──」のように記憶に残り続けるだろう。
この先、CMが家族をどのように描いていくのか興味は尽きない。
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