テレビのパラリンピックの扱い方が残念すぎる訳 「五輪よりひどい」手のひら返しに偽善の批判も
それまでパラリンピック関連の情報は、わずかしか扱っていなかったにもかかわらず、13歳と14歳の少女が活躍したことで、「新たなスター誕生」と手のひらを返すように報じはじめたのです。また、選手としてピックアップされるのはごく一部のみで、オリンピックのようにすべてのメダリストを扱うことはありません。
この姿勢を見た人々がSNSなどに反発の声を投稿。「オリンピックよりさらに手のひら返しがひどい」「情報番組で都合よく扱うのではなく、競技の中継をもっとやってほしい」「活躍したときだけ感動を後付けするのはずるい」などの厳しい声をあげていました。
なかでも、やり玉にあげられがちなのは日本テレビ。「24時間テレビ」が21日・22日に放送されたばかりのタイミングであり、「障がいのある人々をずっと応援してきたはずなのになぜもっと地元のパラリンピックを応援しないのか」「けっきょく視聴率とCM収入目当てでやっているだけでがっかりした」などと疑問を抱く人々がいるようです。
ただ、このような日本テレビへの厳しい声は、これまでもパラリンピックが開催されるたびに発生していました。今回は身近な自国開催であることで、その声が大きくなっているのです。
子どもたちの観戦に意味はあるのか
選手の奮闘だけでなく、民放各局の情報番組にぜひ伝えてほしいのは、学校連携観戦チケットで競技場を訪れている子どもたちについて。開催前は「なぜ部活動や学校行事が休みなのに、パラリンピック観戦だけはありなのか?」という批判が大勢を占め、自治体ごとに異なる結論が出される様子などを情報番組が大きく報じていました。しかし、いざはじまってみると、子どもたちの観戦状況や効果などは、ほとんど扱われていません。
実際、競技初日の25日には、東京体育館、国立代々木競技場、幕張メッセ、武蔵野の森総合スポーツプラザで行われた卓球、車いすラグビー、ゴールボール、車いすバスケットボールなどを約1000人もの子どもたちが観戦したそうです。
子どもたちは座席の間隔を空けて座り、マスクをつけ、隣の人と話をせず、イヤホンで解説を聞きながら観戦。感染予防対策は十分のように見え、画面越しに見た限りではリスクを感じさせませんでした。序盤の段階では、子どもと保護者に「観戦するかしないか」の選択肢を与えさえすれば、大きな問題はないようにも見えます。
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