テレビのパラリンピックの扱い方が残念すぎる訳 「五輪よりひどい」手のひら返しに偽善の批判も
8月24日夜、新型コロナウイルスの感染拡大で開催が危ぶまれる中、東京パラリンピックが開幕しました。
子どもたちの学校連携観戦以外は無観客での開催となる中、NHKは過去最長となる500時間超の放送を予定し、民放各局も初めて一部の競技を生中継するなど、地元開催らしい試みが見られます。
民放各局の放送内容をよく見てみると……日本テレビが車いすバスケ中継、アーチェリーと車いすバスケのハイライト番組。テレビ朝日が水泳中継、車いすテニスのハイライト番組。TBSが車いすバスケの中継、車いすラグビーと陸上のハイライト番組。テレビ東京は卓球中継、水泳ハイライト。フジテレビが車いすバスケ中継、ブラインドサッカーハイライトの放送が予定されています。
各局1競技の中継が1つと、ハイライト番組が1~2つあるだけで、しかも土日の日中か深夜帯のみ。ゴールデン・プライム帯での放送はありません。オリンピックと比較する必然性こそないものの、22競技539種目が行われ、日本選手団は史上最多の254人が参加することを踏まえると、「あまりに少ない」と感じるのではないでしょうか。
これは「NHKがパラリンピックの独占放送権を持っている」という理由もありますが、それこそが「民放がお金をしっかり払って放送しようとしていない」ことの表れ。記念すべき地元開催であり、時差がないにもかかわらず、「視聴率が獲れない」「スポンサーの理解を得られない」という段階から抜け出せず、チャレンジできていないのでしょう。
情報番組は五輪以上の手のひら返し
しかし、その一方で民放各局の情報番組では、パラリンピック関連のニュースを連日放送。開会式が行われた24日午後までごくわずかしか扱わってこなかったにもかかわらず、翌25日は朝から夕方までトップ級のニュースとして開会式の様子を特集していました。これはパフォーマンスの主人公に抜擢された13歳の和合由依さんが、未経験であるにもかかわらず素晴らしい演技を見せたから。「この内容と評判なら番組のトップニュースにふさわしい」という判断でフィーチャーしたのでしょう。
また、翌26日にも、日本人メダル1号となった競泳・女子100メートル背泳ぎ(運動機能障害S2)の山田美幸選手に、「スッキリ」(日本テレビ系)が「パラ日本メダル1号は最年少の14歳」、「めざまし8」(フジテレビ系)が「最年少!パラ水泳で14歳『銀』」などと多くの情報番組がトップニュースとしてピックアップ。27日も「スッキリ」と「めざまし8」がトップニュースで「圧巻 ラスト大逆転!パラ水泳 鈴木選手 日本初金」などと報じました。
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