「孤立する人を生まない組織」こそ幸せになれる訳 生産性に影響が大きく、マネジメントで改善可能

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テレワークが浸透した今だからこそ一層重要なことです(写真:USSIE/PIXTA)
最新の組織行動研究により、従業員が幸せだと生産性が高くなり、1株当たり利益も上昇することが判明している。逆に、従業員の幸福度が低いと、生産性は低下するというのだ。では、マネジメントは、従業員の幸福度を高めるために何をすればよいのだろう? とくに、社員が孤立感を深めがちなリモートワーク下では、社員の幸福度低下は大きな問題となりうる――。
幸せの測定に関する最新研究などを論じた『予測不能の時代: データが明かす新たな生き方、企業、そして幸せ』の一部を抜粋、再編集してお届けする。

組織の病としての「孤立」

リモートワークが拡がる中で、今まで以上に気をつけなければいけないこと。それが「孤立」だ。とはいえ、その孤立した人が悪いのではなく、これは組織の病である。喩えていうと、ニキビは皮膚に生じる病気だが、ニキビのできたところが悪いのではない。全身の状態や体質や生活習慣などに原因があり、それがたまたまある箇所に、ニキビとして顕在化するわけである。組織に生じる孤立も、孤立した人に原因があるという見方は適切ではない。組織全体の問題なのだ。

孤立を解消するのをITとデータが強力にサポートする。これを具体的に示すために、あるコールセンターの事例を紹介しよう。このコールセンターは、商材を潜在顧客に電話をかけて売り込む、いわゆるアウトバウンドのコールセンターだった。パートタイムの従業員が多い職場で、マニュアルどおり顧客候補に電話をかけ、1時間あたり何件注文を取ったかによって従業員は評価されていた。

このコールセンターのパフォーマンスは何によって決まっているのか、どうすればよい生産性を上げられるのかは、大変重要な課題であった。

われわれは、コールセンターの従業員の行動を名札型のウェアラブル端末で収集し、受注率などのデータと合わせて解析した。この名札型のウェアラブル端末は、「幸せな組織をつくれる人と不幸にする人の決定差」(5月15日配信)で紹介したように、装着している人どうしで、誰と誰が、いつ面会したかのデータを収集できるものだ。

その結果によると、まず、コールセンター全体の受注率が日々大きく変動していることは明らかだった。受注率は日ごとに2倍以上も変動していた。

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