優秀だが「他人を見下す子」は何を考えているのか 自己肯定感が低い子の「4つのパターン」

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【勉強ができる子のケース】

(パターン1)
自己効力感:低い
自己肯定感:低い

勉強ができるにもかかわらず、自分では勉強ができる感覚がない場合は、自己効力感が低いと考えられます。主に優秀でトップレベルの学校に進学する子の中にいました。

もともと勉強ができるため、できることが当たり前と思っており、自分では特にできるという感覚が薄いのです。

さらに、ありのままの自分を認めることができず、絶えず自分の欠点を見つけ、自分をダメ出しする子も少なくありませんでした。その場合、自己肯定感が下がっていきます。

このような子には、勉強以外の分野で、「できなかったことができるようになる体験」をさせることで、自己効力感を高め、自己肯定感を上げていく作業をとります。つまり、変化を感じる場を作ってあげます。

できない人を見下したりするのは自己肯定感が低いから

(パターン2)
自己効力感:高い
自己肯定感:低い

勉強ができる子の中で、自分は“できる”と認識している子ももちろんいます。勉強に関しては自信を持っており、自己効力感は高いといえます。しかし、そのような子の中には、自分ができることを周囲に自慢してみたり、自分よりもできない人を見下したりする子がいます。つまり、他者と比較して自分を引き上げるという行為をとります。

なぜ、このようなことをしてしまうのか、その理由はさまざまあることでしょうが、筆者がこれまで指導してきた子では、自己肯定感が低いことに原因があると考えています。

勉強は確かにできるが、家庭ではそれを認めてもらえていなかったり、学校や家庭内で、短所是正ばかりされたりしてきた子に、その傾向がありました。その結果、下がった自己肯定感を、自分で上げようとするある種の自己防衛本能とも思える行為を取ることになります。

亀田さんのケースはまさにこのパターンではないかと思います。ですから、自己肯定感が高すぎる子なのではなく、実は低い子ではないかと推察します。もし自己肯定感が高ければ、自分の現状に満足をしているため、あえて人を引き下げなくても済むからです。

このような子どもには、勉強面含め生活面で自己肯定感を上げてあげるような働きかけをします。

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