新型アクア対フィット、激戦のコンパクトHV比較 最新技術のトヨタと車内の広さが魅力のホンダ

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フィットのe:HEV(2モーターハイブリッドシステム) システム構成図(写真:本田技研工業)

一方、フィットのハイブリッド車は、エンジンと走行用・充電用の2モーターを搭載する、独自の「e:HEV」システムを採用する。発進時や市街地の低速走行ではモーターのみを使う「EVモード」で走行。ある程度の速度域まで上がると、エンジンで発電し、モーターで駆動する「ハイブリッドモード」に切り替えることで、日常シーンのほとんどをモーターで走行する。さらに高速クルージングなど、モーターよりもエンジンのほうが効率の良い領域ではエンジンで駆動する「エンジンモード」も採用することで、あらゆる領域で優れた燃費走行を実現する。

パワートレインには、最高出力72kW(98ps)を発揮する1.5L・4気筒ガソリンと、最高出力80kW(109ps)のモーターを搭載する。ちなみにガソリン車のエンジンは、やはり4気筒だが、排気量は1.3Lで、最高出力は同じく72kW(98ps)だ。また、フィットの4WD車では、アクアのような後輪駆動用モーターは搭載せず、後輪をプロペラシャフトで駆動する「‪ビスカスカップリング式4WDシステム‬」を採用する。本格的な4WDシステムとして知られる方式だ。

とくにe:HEVとの組み合わせでは、モーターの力強い低速トルクを緻密にコントロールすることで、前輪のスリップを抑制し、後輪への伝達トルクを最適に制御することが可能。雪道などでの高い走行安定性を実現する。フィットの燃費性能は、ハイブリッド車でWLTCモード27.2~29.4km/L(4WD車は23.2~25.6km/L)。ガソリン車では、19.4~20.4km/L(4WD車は17.0~18.2km/L)。あくまでカタログ値ではあるが、燃費ではアクアに軍配が上がる。

新型アクアで初採用の「快感ペダル」の使い心地は?

なお、新型アクアでは、アクセルペダルの操作だけで加速や減速のコントロールを可能とする「快感ペダル」もトヨタ車で初採用した。「ノート」など日産のハイブリッド車に採用している「e-POWERドライブ」、いわゆるワンペダル操作によく似た機能だ。シフトノブ橫にあるドライブモードスイッチを押し、「パワープラス(POWER+)」モードに切り替えることで機能する。

新型アクアの「快感ペダル」作動イメージ(写真:トヨタ自動車)

実際に市街地で試乗してみたが、「ノーマル」や「エコ」といったほかのモードに比べ、明らかにアクセルを踏み込んだときの加速がリニアになり、アクセルを戻したときの減速度も高くなる。この新機能により、アクセルとブレーキのペダル踏み替え頻度が少なくなり、渋滞路などでのドライバーの疲労軽減に貢献する。

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