新型アクアvsヤリス、トヨタコンパクトカー対決 燃費は同等、走りのよさか、快適性の追求か

✎ 1〜 ✎ 65 ✎ 66 ✎ 67 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
新型アクアとヤリスのフロントフェイス。価格は、新型アクアが198万円~259万8000円、139万5000円~252万2000円となる(写真:トヨタ)
この記事の画像を見る(75枚)

トヨタの「アクア」が初代の発売から9年半ぶりにフルモデルチェンジした。アクアは、2011年12月に5ナンバーの小型ハッチバックのハイブリッド専用車種として登場した。そして2021年7月19日に新型アクアを発表。そこで今回は、ハイブリッドコンパクトの新型アクアと、同じコンパクトカーである「ヤリス」というトヨタの2台を、それぞれの生い立ちや違いを比較していく。

東洋経済オンライン「自動車最前線」は、自動車にまつわるホットなニュースをタイムリーに配信! 記事一覧はこちら

トヨタは、世界初のハイブリッド専用車として「プリウス」を1997年12月に発売し、2003年に2代目、2009年に3代目へとモデルチェンジして進化を遂げていた。現行車は4代目だ。

モデルチェンジを重ねる中で、初代は5ナンバー車だったが、2代目以降は3ナンバー車となり、車体寸法の大型化はわずかな範囲にとどめられていたが、それでも5ナンバー車を希望する初代プリウス所有者は行き場を失った。当時、初代プリウスを乗り続ける姿を永く見かけた。

プリウスの技術から生まれた初代アクア

そこに5ナンバーのハイブリッド専用車として、アクアは誕生した。しかも車体色を多く揃え、パステル調の華やかな彩りも添えられ、街は彩り豊かなアクアで溢れた。それは、HVを選択することの嬉しさを示す象徴ともなり、燃費がよいという環境への配慮だけでなく、そういう日常生活を選んだ消費者の満足度を高める効果もあったはずだ。

2011年に発売された初代アクアのスタイリング(写真:トヨタ)

初代アクアを開発したチーフエンジニアは、初代プリウスの開発に携わった人物で、初代への思いも強かったのではないか。そして初代プリウス開発での知見を存分に活かし、5ナンバーハイブリッド専用車としてアクアに注力したのである。その出来栄えのよさには驚いたが、チーフエンジニアは当然だと言わんばかりに平然としていた。

その折、海外へもアクアは展開するのかと彼に問い合わせると、アメリカでは「プリウスC」として販売されたが、ヨーロッパには「ヤリス」があり、ヤリスにハイブリッド車を追加することで対応し、アクアのヨーロッパ導入はないとの回答であった。

トヨタがプリウスでHVという価値を提案したのに対し、欧州はディーゼルターボによる燃費向上策をとった。HVは、エンジンのほかにモーターや駆動用バッテリーなどを車載しなければならず、原価も上がり、一時しのぎでしかないと判断したのだ。ことに、庶民の足として道具のように使われる小型ハッチバック車は、もともと経済性という点においてディーゼル車がすでに普及しており、その路線を踏襲するのが欧州流だった。

次ページヤリスの生い立ちと商品価値とは
関連記事
トピックボードAD
自動車最前線の人気記事