新型アクアvsヤリス、トヨタコンパクトカー対決 燃費は同等、走りのよさか、快適性の追求か

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新型アクアのスタイリング(写真:トヨタ)

ヤリスの外観は、いかにも速そうに見える姿であり、客室が小さく、車両全体が硬い塊のように見え、それは優れた走行性能の基盤を成す車体剛性の高さを象徴するかのようだ。しかもその小さくまとまった外観が、軽量であることも想像させる。

走りに徹したヤリスという個性が見た目にも明らかだ。そして、競技車両のもととなるようなGRヤリスも車種に加えられている。

日々の快適性を高めて国民車を目指す新型アクア

一方、新型アクアは、上質さと安心感が特徴であるとの説明だ。外観の全体像は、初代に似ているが、写真や映像からだけの印象でも(執筆時点ではまだ実車を見ていない)上質な仕上がりである様子がうかがえる。また、9色用意された車体色は、初代のパステル調を交えた親し気で明るく軽やかな雰囲気と異なり、やや重厚で奥行きがあり、上質さを高める色合いを揃えていると思う。

新型アクアのインテリア(写真:トヨタ)

ハイブリッド専用車として期待される燃費性能も、WLTCで33.6~35.8km/Lとなり、初代の27.2~29.8km/Lを20%以上改善している。そのうえで、運転支援装備の充実はもちろんだが、たとえば自動駐車システムもヤリスでは前進・後退の切り替えは運転者が行うが、新型アクアではそれも自動化された。

ここでは詳細は省くが、そのように、日々の暮らしの中で乗るHVとして、アクアは日常性と日々の快適さを高めたハイブリッド専用車であることをより極めたといえるだろう。

一方、ヤリスハイブリッドは、燃費性能では新型アクアと同等の35.4~36.0km/Lで、その容姿を含め、走りのよさを実感する個性を求める人にうってつけではないか。

プリウスが2代目となって以降、5ナンバーのHVの選択肢がトヨタ車では一時的に途切れたが、トヨタはTNGAをもとにしながら特徴の異なるHVをここに揃えた。SUVの「ライズ」や、ワゴンの「ルーミー」など含め、国内に根強い人気を持つ5ナンバー車の充実をはかれるのは、トヨタならではのことであり、改めて新車開発におけるTNGAの威力を思わずにはいられないのである。

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御堀 直嗣 モータージャーナリスト

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みほり なおつぐ / Naotsugu Mihori

1955年、東京都生まれ。玉川大学工学部卒業。大学卒業後はレースでも活躍し、その後フリーのモータージャーナリストに。現在、日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員を務める。日本EVクラブ副代表としてEVや環境・エネルギー分野に詳しい。趣味は、読書と、週1回の乗馬。

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