ホンダは、2021年6月に20周年を迎えたコンパクトカー「フィット」のラインナップに、スポーツ系カスタマイズ車の「フィットe:HEVモデューロX(Modulo X)」を加えた。また、売れ筋グレード「ホーム(HOME)」のハイブリッドシステムe:HEV搭載車とガソリン車の両方に、「カーサ(Casa)」と「メゾン(Maison)」という2タイプの20周年特別仕様車も追加発売した。さらに、車載通信モジュール「Honda CONNECT(ホンダコネクト)」を使った最新のコネクテッドサービスを充実させるなどの一部改良も実施している。
2020年2月14日に発売された現行のフィットは、かつての歴代モデルのように、新車販売台数ランキングで1位を獲得するなど、販売面でライバルをリードするような華々しさがない。むしろ苦戦しているともいえる。通常は発売から2年程度で行われる一部改良(マイナーチェンジ)を1年ほどで行って商品力を上げたことや、新グレードや特別仕様車の導入でラインナップの強化を図っていることは、「名車」フィットへのテコ入れのようにも思える。
ここでは、フィットに対するホンダの新たな強化策ともいえる各モデルたちを紹介するとともに、最新の新車販売台数などをもとに、新グレードなどでいかなる効果が出ているのかなどを検証する。
スポーティな「フィットe:HEVモデューロX」
まずは、フィットe:HEVモデューロXについて紹介しよう。モデューロXとは、ホンダ純正用品を手掛ける企業「ホンダアクセス」が開発・販売を行う、「コンプリートカー」と呼ばれるカスタマイズ車両のブランドだ。ホンダのベース車に数々の専用パーツを搭載した、いわばワークスチューニング車ともいえる車両で、純正モデルと同様にホンダの販売ディーラーで購入できる。
主に内外装をスポーティな味付けにするのが特徴で、フィットのほかにも「フリード」や「ステップワゴン」といったミニバン、それに2022年3月で生産が終了する軽スポーツモデルの「S660」などをラインナップする。中でもS660モデューロXは、すでに注文が予定生産台数に達したことでオーダー受付が終了。いわば売り切れ状態になるほどの人気ぶりだ。
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