新型アクア対フィット、激戦のコンパクトHV比較 最新技術のトヨタと車内の広さが魅力のホンダ

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
新型アクアの荷室(写真:トヨタ自動車)

アクアも荷室開口部を従来型より広げたため、荷物が積みやすくなった。また、後席の背もたれを前に倒すと荷室が広く使えるが、フィットのようにフラットにならず段差ができてしまう。より荷室を効率的に使えるのはフィットのほうだ。

これは、「センタータンクレイアウト」の効果が大きいのだろう。通常は後席や荷室の下にありフロアを高くしている燃料タンクを、前席下へ配置することで室内を広くできるホンダの特許技術だ。2001年発売の初代フィットにも採用された独自技術は、20年経った現在でも現行フィットをはじめ、N-BOXなどホンダの人気モデルにおける室内スペースの広さや使いやすさに貢献している。

さらに燃費が向上したアクアのハイブリッドシステム

アクアとフィットのハイブリッド車では、採用する走行システムにも違いがある。アクアは、エンジンとモーターを走行状況などによって使い分けるシリーズ・パラレル方式を採用する。1997年に発売された世界初の市販ハイブリッド車「プリウス」以来、長年熟成された独自のハイブリッドシステム「THS Ⅱ」だ。市街地などの発進時や低速時にはモーターだけを使うEV走行を行い、ある程度の速度になるとエンジン駆動に切り替わる。また、急な坂道の登坂や高速道路の追い越し時など、より出力が必要なときにはモーターがエンジンをアシストする。

パワートレインは、最高出力67kW(91ps)を発揮する1.5L・直列3気筒ガソリンエンジンと、最高出力59kW(80ps)の駆動用モーターを組み合わせる。4WD車では最高出力3.9kW(5.3ps)~4.7kW(6.4ps)の後輪駆動用モーターも搭載する。

初採用となるバイポーラ型ニッケル水素電池(写真:トヨタ自動車)

走行用バッテリーは、前述のとおり、高出力な「バイポーラ型ニッケル水素電池」を新型のほとんどのグレードに搭載する。従来型アクアのニッケル水素電池に比べてバッテリー出力を約2倍に向上したほか、アクセル操作への応答性が向上し、低速からリニアでスムーズな加速を可能とする。

さらにバッテリーの高出力化は、電気だけで走行できる速度域の拡大にも貢献し、市街地などでEV走行の可能範囲が広がった。従来型が15km/h程度までだったのに対し、新型では40km/h程度までエンジンを使わずに走行できるというから、飛躍的進化だ。燃費効率は、WLTCモードで33.6~35.8km/L(4WD車は30.0~30.1km/L)を実現。燃費が良好なコンパクトカーが多い中でも、トップクラスの性能を有する。

次ページ新型アクアに対するフィットの動力性能や燃費は?
関連記事
トピックボードAD
自動車最前線の人気記事