新型アクア対フィット、激戦のコンパクトHV比較 最新技術のトヨタと車内の広さが魅力のホンダ
2011年の登場以来、ハイブリッド専用コンパクトカーとして根強い人気を誇るトヨタ「アクア」がフルモデルチェンジを受け、2021年7月19日に新型が発売された。2代目アクアの主なトピックスは、高出力「バイポーラ型ニッケル水素電池」を世界初採用したことで、1.5Lハイブリッドシステムの燃費や走行性能などを向上させたことだ。先代は、グローバルで約187万台もの販売台数を誇ったが、大きな優位点だったのがハイブリッド車のメリットを活かした圧倒的な低燃費や実用性などだ。それらをさらに進化させた新型が、再び市場で大きな支持を受けることは想像にかたくない。
一方、アクアと販売台数を長年競ってきたライバルの1台、2021年で20周年を迎えたホンダ「フィット」も、現行モデルではハイブリッド車が主力だ。2020年2月にフルモデルチェンジを受けて発売された4代目では、1.3Lガソリン車と、1.5Lハイブリッドシステム「e:HEV」搭載車を擁する。ホンダによると、販売比率はハイブリッド車が64%で、圧倒的にガソリン車を凌ぐセールスを誇っているという。
そこで今回は、新型アクアとフィットの主にハイブリッド車を比較することで、激戦が続くコンパクトカー市場において、両車の優位点や商品力の違いなどを浮き彫りにする。
個性が光る、新型アクアとフィットのラインナップ
まず、両車で大きく違うのがラインナップ構成だ。新型アクアでは、装備などの違いで、エントリーグレードの「B」、中級グレードの「X」や「G」、上級グレードの「Z」を設定し、それぞれに2WD(FF)車と、電気式4WDシステムの「E-Four」搭載車を用意する。先代では、アウトドアテイストを盛り込んだ「アクアクロスオーバー」や、スポーティ仕様の「GRアクア」もあったが、現時点(2021年8月上旬)では設定がない。あくまでコンパクトHVという立ち位置を明確にしている。
一方のフィットは、グレード別ではなく、スタイルで内外装などを変えたタイプ別設定だ。シンプルな「ベーシック(BASIC)」、生活になじむデザインと快適性を備えた「ホーム(HOME)」、アクティブなイメージを演出した「ネス(NESS)」、SUV風デザインの「クロスター(CROSSTAR)」、洗練と上質を兼ね備えた「リュクス(LUXE)」といった5タイプを擁する。
なお、2021年6月には、専用カスタマイズパーツを搭載した「e:HEVモデューロX(e:HEV Modulo X)」や、ホームをベースに主に内装をアップグレードした20周年特別仕様車「カーサ(Casa)」と「メゾン(Maison)」(ともにガソリン車とe:HEV車を設定)も追加販売している。
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