トヨタ自動車のハイブリッド専用車としては「プリウス」に続く車種であり、一時期は登録車のベストセラーカーにもなっていた「アクア」がモデルチェンジした。
先代が発表されたのは東日本大震災が発生した2011年だから、実に10年ぶりのモデルチェンジということになる。
もっとも、コンパクトカーではモデルチェンジのサイクルを長めに取ることはよくある。
同じ車両を長く作り続ければ減価償却や量産効果によりコストが抑えられ、安い価格で提供できるからだ。トヨタで言えば、2020年2月に「ヤリス」に切り替わる前の「ヴィッツ」の最終世代は2010年デビューだったので、10年間にわたり現役を務めたことになる。
アクアをキープコンセプトにした理由
ヴィッツからヤリスへの進化と比べると、アクアのモデルチェンジは、少なくともエクステリアデザインについてはキープコンセプトに思える。パっと見ただけでは、先代と差異を感じない人もいるだろう。
これはアクアが新型になってもまだ2代目と歴史の浅い車種であり、ブランドイメージの確立が重要であることに加えて、先代がグローバルで約187万台を販売したヒット作となったことが大きいと考えられる。
ボディサイズも、先代からキープされた。全長4050mm×全幅1695mmという数字は先代の後期型(前期型の全長は3995mm)とまったく同じだ。
一方で、全高は2WDで1485mmと30mm高くなっており、ホイールベースは2600mmと50mm延長している。全高を上げたのは、主に後席の頭上空間を拡大し、居住性を向上させるためだろう。
新型アクアは、トヨタのコンパクトカーではヤリスに続き、新世代のTNGA(GA-B)プラットフォームを採用した。でも、外寸は同一ではなく、ヤリス(2WD)は全長3940mm×全幅1695mm×全高1500mmでホイールベース2550mmと、新型アクアと比べると短くて背が高い。
2台の外寸の差は、それぞれの出自が関係している。ヤリスはその前のヴィッツの頃から、ヨーロッパをメインマーケットとして開発された。ヨーロッパでは道の狭い地域や路上駐車も多く、全長の“短さ”が重視されるのだ。
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