新型「アクア」デザインに見るヤリスとの違い 1クラス上を狙った「人に寄り添う」落ち着き

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一方のアクアは、アメリカなどで「プリウスc(c=city)」という名前で、「プリウス」シリーズの1モデルとして販売された。そのため、プリウスのイメージを継承すべく、コンパクトカーとしては伸びやかなプロポーションが与えられたと考えている。

こうした背景を頭に入れながら、「Harmo-tech 〜知性・感性を刺激する、人に寄り添う先進」をテーマとした、新型アクアのデザインをエクステリアから見ていこう。

フロントマスクは、ワイドになったグリルと薄くなったヘッドランプで精悍な雰囲気を出しつつ、グリル周辺の金属調のアクセントラインが上質感を演出。一方で、グリルやヘッドランプのエッジに丸みがついたことで、穏やかな表情になった。「人に寄り添う先進」というキーワードを連想する部分だ。

全高30mmアップを感じさせないサイドビュー

サイドビューは、モノフォルムのシルエットを受け継ぎながら、サイドウインドー後端を尖らせ、リアコンビランプをサイドに回り込ませた形に。さらに、ドアパネルに勢いよく跳ね上がるキャラクターラインを入れることで、リアフェンダーの張り出しを強調する造形になった。

全長をキープした中で全高のみアップしているが、“背高”になった印象はない。高くなったルーフを目立ちにくくすべく、サイドウインドーなどを伸びやかに仕立てたためだ。

これは、「スマートでエモーショナルかつ動感のあるエクステリアを目指した」という作り手の考えを反映しているし、穏やかな印象も感じるフロントマスクと比べると動きを感じる造形だといえる。

新型アクアのサイド&リア(写真:トヨタ自動車)

リアは、もっとも大きく変わった部分かもしれない。全幅いっぱいに張り出していた縦長のコンビランプは、リアウインドー下端あたりで絞り込まれ、サイドに続いてここでもフェンダーの膨らみをアピールしている。

リアバンパーに入った黒い台形のアクセントラインも、踏ん張り感を強調している。フロントやサイドを“先代に似ている”と感じる人も、このリアビューで新型だと見分けることができるだろう。

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