新型アクア対フィット、激戦のコンパクトHV比較 最新技術のトヨタと車内の広さが魅力のホンダ

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新型アクアの走行イメージ(写真:トヨタ自動車)

以上のように両車を比較してみると、アクアは燃費性能や利便性が高い装備、フィットは室内や荷室の広さと実用性について、それぞれ優位性を持つといえる。さらに価格面でも両車はライバルだ。アクアの価格(税込)は、2WD車が198万円~240万円、4WD車が217万8000円~259万8000円。

一方、フィットのハイブリッド車は、2WD車が199万7600円~242万6600円、4WD車は219万5600円~259万1600円(20周年記念車やe:HEVモデューロXを除く)。もちろん、フィットには、より安いガソリン車(税込価格155万7600円~224万1800円)もある。だが、ハイブリッドのコンパクトカーを購入検討する前提であれば、価格帯が近い両車は、ユーザーにとって比較検討の対象になりやすい。

コンパクトHVの大本命、新型アクア登場でどう変わる

コンパクトカーのジャンルでは、ヤリスが2020年2月の発売以来、登録車の新車販売台数ランキング1位を常にキープし、もはや独走状態だ。もちろん、ヤリスの販売数データには、コンパクトSUVの「ヤリスクロス」やスポーツ仕様の「GRヤリス」の数字も含まれている。だが、フィットは2020年度(1~12月)のランキングで4位(9万8210台)を記録したものの、2021年上半期(1~6月)で12位(2万9686台)と、今年に入り徐々に販売台数を落としてきている。

一方、ヤリスは2021年上半期でも1位(11万9112台)と絶好調で、フィットとの差は歴然だ。今後は、どちらかというと、新型になったアクアとフィットがライバル関係になるのではないだろうか。ちなみに2021年7月の新車販売台数で、アクアは5位(7902台)だ。新型は7月19日発売であるから、新旧モデルの販売データが混在した記録ではあるが、従来型のみ販売した同年6月の20位(2460台)から大きくジャンプアップしている。対するフィットは、同年7月は13位(5300台)で、同年6月の16位(3393台)からは上昇しているが、アクアに抜かれた結果となっている。

もちろん、モデルチェンジで新型が発売されれば、従来型からの買い替え需要などにより、発売当初の販売台数は伸びる傾向にある。フィットもホンダが2020年3月に発表したデータでは、2020年2月13日の発売から約1カ月後の累計注文台数が3万1000台を超え、月間販売計画(1万台)の3倍以上を記録している。

注目すべきは、新型アクアの販売数が今後どう伸びるかだ。フィットも、6月に先述した20周年記念特別車などを発売しラインナップを強化したことで、上昇傾向ではある。いずれにしろ、コンパクトカー市場においては、常勝将軍ヤリスに次ぐ販売台数2位のポジションが注目だ。これら両車に日産ノートも交えた三つ巴の戦いが、今後しばらく続くだろう。熾烈なシェア争いから目が離せない。

平塚 直樹 ライター&エディター

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ひらつか なおき / Naoki Hiratsuka

1965年、福岡県生まれ。福岡大学法学部卒業。自動車系出版社3社を渡り歩き、バイク、自動車、バス釣りなどの専門雑誌やウェブメディアの編集者を経てフリーランスに。生粋の文系ながら、近年は自動運転や自動車部品、ITなど、テクノロジー分野の取材・執筆にも挑戦。ほかにも、キャンピングカーや福祉車両など、4輪・2輪の幅広い分野の記事を手掛ける。知らない事も「聞けば分かる」の精神で、一般人目線の「分かりやすい文章」を信条に日々奮闘中。バイクと猫好き。

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