新型アクア対フィット、激戦のコンパクトHV比較 最新技術のトヨタと車内の広さが魅力のホンダ
とくに日本の道路事情では、駐車スペースや周囲の道路が狭いところも多く、自宅駐車場でも入出庫に苦労するドライバーは多い。また、高齢者のペダルの踏み間違いで発生する駐車場の事故も多発している。そういった近年の社会課題に対する駐車支援機能の充実という点では、やはりアクアに優位性があるといえる。
ともに充実した快適・便利装備
フィットは、2021年6月の一部改良により、車載通信モジュール「ホンダコネクト」搭載車が利用できる最新のコネクテッドサービス「ホンダ・トータルケア・プレミアム」の機能を向上した。通信機能を使いナビゲーションシステムの地図を最新の内容に自動更新できる「自動地図更新サービス」、車内で利用できる多彩なアプリを提供する「Hondaアプリセンター」、Wi-Fiスポットとして車内でインターネット接続が楽しめる「車内Wi-Fi」などを新採用した。
アクアもトヨタのコネクテッドサービス「Tコネクト(T-Connect)」による、さまざまな利便性が高い機能を利用できる。例えば、スマートフォンアプリの「マイトヨタ(My TOYOTA)」では、離れた場所からドアロック忘れ、ハザードランプの消し忘れなどを確認し、施錠やランプ消灯などをスマホで操作できる。また、同アプリは、ショッピングセンターなどの広い駐車場で、車両の駐車位置を確認することもできる。ほかにもステアリングの音声認識スイッチを押すと、パワーウインドウやエアコンのコントロールを音声で操作できる機能、フィットと同様にナビの地図を自動更新する機能を有するなど、高い利便性を誇る。
コネクテッドサービス以外でも新型アクアでは、「アクセサリーコンセント(AC100V・1500W)」と「非常時給電モード」を全車に標準装備した。自宅などで停電が発生した場合に、車両を家庭用の電源として使える機能で、コンソールボックス背面に設置されたコンセントにより、電気ポットやドライヤーなどの家電製品を使うことができる。台風やゲリラ豪雨などによる災害が多い昨今、こうした装備は一定の需要があるようで、トヨタでは、プリウスやヤリスをはじめ、多くのハイブリッド車やプラグイン・ハイブリッド車に搭載する。
対するフィットには、残念ながら同様の装備はない。長年ハイブリッド車を作り続けているトヨタだけに、大容量バッテリーを搭載するモデルの特性を活かしたこうした装備は、技術面などに優位性があることを示す好例だといえよう。
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