「スケボー」が子どもたちから熱狂的支持を得る訳 発祥の地ロサンゼルスでは年齢や人種超え人気

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

もともと路上で自由に滑って楽しむことから始まったスポーツだけに、何よりもまず、路上で滑り、それが認められることが大前提なのだという。

「スケートパークでならうまくできる技も、凸凹のある路上でやってみると数倍難しい。路上では『出ていけ!』と追い出される苦労もあるし。だからこそ路上で技を決めると、仲間から尊敬されるんだよ」

そう語るのは11歳のアレックス・エニス君だ。ちなみに、彼がSNS上にアップした路上撮影の映像を見てみると、5段の階段の手すりを彼が滑り降りるビデオに、「So clean」(見事だ)や「butter」(バターのように滑らか)などという視聴者からの賞賛のコメントが多数ついている。

さらによく見ると、ビデオには「#スポンサー」「#スケートこそ我が人生」「#スケートボーイ」などのハッシュタグが、20以上びっしりつけられている。これは、検索でひっかかりやすいキーワードをあらかじめ散りばめておき、ネット上で映像を多くの人に見つけてもらうための工夫だ。それを11歳の少年がごく当たり前にやっている。

ほかの人の技をスマホで簡単に学べる

今回のオリンピックの女子ストリート競技では日本とブラジルの13歳同士が金メダルを争い、その若さに世界が衝撃を受けた。ロスのスケーターたちの多くは、「彼女たちはビースト(超人的)」という賛辞で褒め称える。

なぜあの若さで金メダルが取れる程の実力がすでにあるのか?ベセラさんと共同でスケートボード教室を立ち上げた25歳のコーチのミッチェル・バスクさんはこう説明する。

「今の若い子たちは、インスタグラム上で、同じ年頃の子どもがすごい技を軽々とやってのける映像を見て育ってきた。しかも自分の指先を動かすだけでスマホ上でそんな映像が無限に見られる環境でね」

ちなみに、バスクさんが子どもだった20年前には、インスタグラムもYouTubeもなく、同年代のスケーターたちの技をネット上で頻繁に見ることはできず、ときどき、テレビ放映でプロの大会を見るチャンスがある程度だったという。

次ページスマホとSNS登場で技の進歩も加速
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事